撮影日記


2004年02月27日(金) 天気:晴

トヨビュー45Cを運ぶために

ケースに入れなければ運べない

昨年,いつかは使ってみたいと思っていたモノレールタイプのビューカメラ,「トヨビュー45C」を入手した。しかし,実際にこれで撮った写真は,まだ,ごくわずかしかない。その最大の理由は,容易に持ち運べないことである。
 「トヨビュー45C」は,上級機種にくらべれば軽量であることになっているが,それでも本体の重さは4kgを越える。また,このカメラを載せることができる三脚というと,私が持っているものの中では,スリック「ザ・プロフェッショナル」しかない。あわせて,10kgを軽く越える。
 重さだけなら,10kg程度なら,まだなんとかなるかもしれない。ところが,この種のカメラは,そのまま持ち運ぶようなことには,まったく配慮がなされていない。ストラップをつけて,持ち歩くようなカメラではないのである。さらに,使うときには,ほかにもいろいろな小物が必要である。少なくとも,レンズ,フィルムホルダ,露出計は必要だろう。したがって,本体や小物類をまとめて収納するケースが必要になってくるのである。

むき出しの精密機械

「トヨビュー45C」を運ぶために,うちにあったアルミケースやソフトバッグなどが使えるかどうか,試してみた。結論は,あっさりと出た。「トヨビュー45C」が大きすぎて,とても入らないのである。モノレール型のカメラは,「オプチカルベンチ」と呼ばれるレールの上に,前と後の「スタンダード」と呼ばれる鳥居のようなものが載っている。それらは小さく見えても,小型あるいは中型カメラにくらべると大きなものであり,普通のカメラ用ケースには,とても収まらないのである。また,カメラは箱になっておらず,いろいろな向きの棒が組み合わさった状態である。したがって,しっかりしたケースに収めなければ,安心して運ぶことができそうにないのである。
 適当なケースがないので,これまでは,「ぷちぷち(エアキャップというらしい)」でくるんで,十分な大きさのダンボール箱に入れて持ち運ぶしかなかった。これは非常に運びにくく,持ち出す気になれなかったのである。また,持ち出しても,クルマから50m以上離れたところで撮影に使ったことは,一度もないのである。
 そうして私は,「タチハラフィルスタンド45」のような,木製組立暗箱の価値を思い知ったのであった。コンパクトで,軽く,4×5判の撮影が可能なのである。

木で作ってみよう

「トヨビュー45C」を運ぶために使っていたダンボール箱は,何度か持ち運びをするうちに,かなりくたびれてきた。日本プロフォートから,トヨビュー45C用とされるアルミケースが発売されているが,安いものではない。そこで,木で作ることにした。いわゆるホームセンターで材料を買い,毎日少しずつ,板を切ったり,組み立てたりという作業をした。外箱が組みあがったらニスを塗り,ニスが乾いたら蝶番などの金具やゴム足を取りつけた。中箱や仕切り板を作って,約1週間で完成となった。
 できあがった箱は,当然ながら,「トヨビュー45C」と各種小物を収めるのにぴったりである。これは,撮影のために持ち出すときにも使えるし,普段,収納用の箱としても使える。我ながら満足である。
 しかしながら,この箱は大きく重く,片手で運べるようなものではない。つまり,三脚といっしょに持ち運ぶことはできそうにない。こうなると,背負子も欲しくなってくるというものだ。


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