撮影日記


2004年01月12日(月) 天気:晴のち曇

マミヤプレスの撮り初め

マミヤプレスというカメラ

ここ数年,私が自分のメインシステムとみなしているカメラは,マミヤユニバーサルプレスのシステムである。このカメラは,非常に古い設計のものであるため,現代的感覚で見れば,いろいろな不満点の多いものだと思う。AFやAEなどの自動化とは,徹底的に無縁であり,フィルムの巻き上げとシャッターチャージすら連動していない。また,レンズについては,その描写は開放付近ではややあまく,全体に青味がかかりやすい傾向にある。
 それでもなお,このカメラを使っている理由は,これが6×9判の写真を撮ることができるカメラだからである。6×9判の写真を撮ることができるカメラは,現在ではあまり多くない。マミヤプレスのようなプレス型,フジGSW690のような透視ファインダー型,ホースマンのようなテクニカル型が主流で,グラフレックスのような一眼レフ型が使われることは,かなり少なくなっているようだ。
 フジGSW690にはレンズ交換ができないという弱点があり,ホースマンには扱いにくいという弱点がある。マミヤプレスは,6×9判のカメラとして,扱いやすく,システムも充実した,貴重な存在なのである。

マミヤプレスの長所と短所

どんなカメラにも,長所と短所があるわけだが,マミヤユニバーサルプレスにおける長所と短所を簡単にまとめておこう。
 長所としてあげられるのは,レンズ交換が容易であること,フィルムバックが交換できること,そして,6×9判の撮影ができることなどであろう。レンズマウントは3本爪のバヨネット型で,ボディのストッパーを回すことで,着脱が簡単におこなえる。また,内蔵距離計ともそのままで連動する。ロールフィルムホルダは,ほかの中判カメラのものにくらべるとやや大型であるが,これは平面性にすぐれているという定評がある。ロールフィルムホルダのほかに,ピントグラスやポラバックなどを使うこともできる。そして,6×9判という大画面で撮影できるという魅力は,代え難いものがある。
 短所としてあげられることは,連動機構がほとんどないので操作をミスする危険性が高いこと,レンズの設計が古いこと,重くかさばることなどであろう。連動機構については,フィルムの巻き上げとシャッターのチャージが連動していないことで,二重写しをしてしまうことがもっとも大きな問題と思われる。1コマ撮ったらすぐに巻き上げるというクセをつけておくことが,この問題を回避するもっともよい方法であると考えている。ただ,そうすることによって,フィルムのたるみが発生し,せっかくの平面性に優れたロールフィルムホルダの利点を生かしきれないことになるということを指摘する人もある。

今年もマミヤプレスを使っていこう

私が使うカメラは,マミヤユニバーサルプレスだけではない。35mm判や4×5判のカメラも使う。速写性を追及すれば35mm判に優るものはないと思うし,画質を追及すれば4×5判を使う方がいいとも思う。だから,多少画面サイズが小さくなっても,6×7判などの一眼レフを使うようにすればいいという気もする。まあ,長く使ってきたカメラで,大きな不満があるわけでもないので,まだまだ使っていこうと思う。ということで,通り道にあった大きな柿の木を撮ってみた。今年の,マミヤプレスの使い初めである。
 これから初めて,なにか中判カメラを買ってみようと思う人がいれば,ちょっと聞いて欲しい。もし,35mm判でそれなりのシステムをそろえているなら,6×7判以上のものを選ぶといいだろう。35mm判のシステムをさほどそろえていないなら,6×4.5判を中心にシステムをつくっていくようにするといいと思う。
 まあ,マミヤプレスをいまさら選ぶ人は,あまり多くないだろう。しかし,マミヤプレスには,こんな魅力があることには,すぐに気がつくはずだ。それは,「安い」ことである。安いにも関わらず,6×9判という大画面カメラでシステムを組むことができるのである。


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