撮影日記


2004年01月07日(水) 天気:晴

理科は楽しいものだ
ということを思い出せ

「○年の科学」

小学生のころ,学研の「○年の科学」を定期購読されていた方は,少なくないと思う。あの雑誌には,毎号,なにかの「実験」ができる「ふろく」という「おもちゃ」(生物の場合もあった)が付属していた。雑誌の内容よりも,その「ふろく」が楽しみだったという人も多いことだろう。その「おもちゃ」で遊ぶために,雑誌に掲載されたその組み立て方や使い方などの説明文を読むことになるのだが,それを読んでいるうちに,なんとなく,もののしくみがわかったような気になるのである。
 そうだ,「実験」は,楽しいものなのだ。
 一般的に,小学校では,「理科」は,子どもたちの好きな科目の1つなのだ。その理由は,「実験が楽しいから」という。ところが,中学校,高校と進むにつれ,「理科」は,嫌われる科目になっていく。理由は,難しいから,わからないから,おもしろくないから,という。不思議なことである。受験科目として考えると,たしかに理科はおもしろくないのかも知れない。
 そうだ,やはり「実験」は,楽しいものなのだ。

「大人の科学」

その学研が,「大人の科学マガジン」という雑誌(ムックというべきか)を発行しはじめた。ターゲットは,小学生ではなく,大人である。価格的には,たしかに大人をターゲットにしたものと言えるだろう。いま,日本は少子化が進行している。子どもの数がどんどん減っており,学研の「○年の科学」のように,ある特定の年代の小学生だけをターゲットにした商品は,その市場が縮小していることの影響をモロに受けているわけだ。
 同様のことは,福武書店の「進研ゼミ」のような通信教育にも言える。福武書店は,従来の大学受験生だけを対象にした講座から,幼児教育,さらには大人を対象にした生涯学習の分野まで対象に広げてきた。学研の「大人の科学マガジン」も,似たような背景の中で生まれた企画ではないだろうか。
 さて,「大人の科学マガジン」は,雑誌だけではなく「ふろく」もついている。「ふろく」は,立派な箱にはいっている。そして,その箱のふたには,こんな一文が書かれている。
 「ふろくは家に帰ってからはこをあけましょう。」
 買って帰る途中に,箱を開けたくなる気分はよくわかる!

三脚が使えなければ「カメラ」じゃない

「大人の科学マガジン」第3号の「ふろく」は,「カメラ」である。「カメラ」は,学研の「○年の科学」の「ふろく」としては,定番の教材だったようだ。実は,私も25年以上前の,「ふろく」のカメラを,まだ持っている。この種のカメラは,昔の「東郷カメラ」のように,薄暗くした部屋で処理のできるタイプの印画紙や薬品を使うようになっている。そして,レンズの実験ができるようになっている。
 「大人の科学マガジン」第3号の「ふろく」のカメラにも,この種の印画紙や薬品が付属していた。しかし,この「ふろく」のカメラは,非常に実用的な商品であると感じた。それは,パトローネ入りの35mmフィルムも使えるようになっていることである。撮影レンズは2種類が付属している。1つはプラスチック製と思われるレンズだ。おそらく,レンズつきフィルムに使われているものと同様なものと想像する。もう1つは,「ピンホール」である。シャッターユニットは,1/250秒とBが使えるようになっている。印画紙を使うとき,フィルムを使うとき,ピンホールを使うとき,レンズを使うときで,それぞれ適切に使いわけらるような配慮といえるだろう。
 さらに,このカメラには,三脚のネジ穴がある。最近の,とくに電機メーカーから発売されるディジタルカメラには,それなりのスペックを持ち,高画質を宣伝しながら,三脚のネジ穴がないものもあるという。それにくらべれば,この「ふろく」の方が,よっぽど立派な「カメラ」じゃないか!

 さて,はやくこの「ふろく」の試し撮りもしてみたいものだ。


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