撮影日記


2003年11月01日(土) 天気:はれ

大規模林道はどうなる

三段峡の紅葉はピーク

先週に引き続き,三段峡の上流部を訪れた。三段峡は柴木川の峡谷だが,その支流の1つである小板川沿いも訪れることを考えた。まずは,先週と同様に樽床ダムから三段滝を往復し,そのあとで小板川沿いへ行くことにした。
 朝,樽床ダムに着くと,すでに写真を撮っている人の姿がある。朝食後,歩き始めるが,三ツ滝のところでも数人が写真を撮っている。そのあとも,実に多くの人とすれ違う。先週とはまったく状況が異なっている。紅葉は,葉のなくなった木や,残っている葉も痛みが目立ち始めているが,ちょうど山全体が茶色く染まった状態で,まさにピークといえる状況であった。
 餅ノ木をすぎても,多くの人とすれ違い,写真を撮っていると,大きな団体に追い越されたりするなど,本当に人が多い。三段滝はどういう状態だろうか・・・・?と思いながら近づいていく。まる淵をすぎて,三段滝を越えるピークに近づくと,多くの人が見えてくる。ちょうどお昼どきが近いということもあってか,このあたりからずっと,多くの人が休憩をしているのであった。そして,三段滝の展望台は,かなりの混雑を見せていた。

三段滝は有名だけど

三段滝には1時間ほどいて,写真を撮った。三段滝はたしかに大規模ではあるが,大規模すぎて,逆に迫力を感じなくなっていると思う。この大規模な滝は,一見の価値はあるだろう。とはいえ,私は三ツ滝の方がきれいだと感じている。
 樽床ダムまで戻り,小板川方面へ移動する。小板川には,国道191号線から餅ノ木へ通じる林道が沿っているので,クルマでも訪れやすい。そして,小板川は,出合滝として柴木川に注ぐ。この間で,ところどころ,見ごたえのある景色が存在する。
 道は部分的に未舗装のところがあるが,片側1車線ずつが確保されており,十分すぎる広さがある。そして,ところどころクルマを寄せられる場所もあり,通るクルマもほとんどないので,ゆっくり撮影することもできた。やっぱり紅葉は,人があまり撮っていない場所で撮るのがいい。

この道の先には

この道は,非常によい道であるにも関わらず,クルマがほとんど通らない。それは,この道は,数km先の餅ノ木という小さな集落で終点になっているからである。利用する人が,基本的にほとんどいないのだ。実はこの道は,さらに先へ工事が続いている。餅ノ木から田代,横川(よこごう)を通り,恐羅漢スキー場の麓へ至る。そこまでは近々供用が開始されるようで,国道191号線には,案内標識も準備されている。これまで恐羅漢スキー場へ行くには,戸河内の中心部から,内黒山を越えて行く道しかなかった。この道は,冬期にも通行できるようにロードヒーティング設備もあったが,狭い山道の区間も多く,スキーシーズンには,時間帯によって一方通行になっている。
 この林道が,恐羅漢スキー場の麓まで開通すれば,スキー場を訪れる人の利便性は,大いに高まるであろう(道のりは遠回りであるが)。観光の活性化に貢献できる道路といえる。実は,この道はさらに先,吉和方面にまで続く予定である(旧来の林道は通じている)。当初計画では,すでに全線開通の予定だったのだが,予算の大半を使い切っても,まだ半分しかできていない状態という。いわゆる「税金の無駄使い」の1つの例と言えるだろうか。また,計画されたころは,餅ノ木,田代,横川の集落にもそこそこの住人があったようだが,今はほとんどいなくなっている(田代には定住者はいない)。恐羅漢スキー場がなければ,建設そのものが無駄という状態である。
 恐羅漢スキー場から先,吉和方面にも,沿道に定住集落は存在しない。また,その区間は,貴重な自然(西日本随一の規模を誇る渓畔林であり,貴重な生物も住む)が残されていることがわかっている。このまま大規模林道の建設を続けることは,貴重な税金を使い,貴重な自然を破壊し,必要のない道路を作ることである,と批判する意見も強い。今週末には国会議員選挙があるが,この候補者に対して「公開質問状」を送り,回答を公開している団体もあるので,参考にしてみるのもいいだろう。


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