撮影日記


2003年10月20日(月) 天気:はれ

可部線存続問題に思う(4)

紅葉の季節 近づく

朝晩は,すっかり肌寒くなってきた。紅葉の季節が近づいてきたことを実感する。今週末からは,三段峡周辺でも交通規制(マイカーの通行が制限される)がはじまる。この制限は11月中旬まで,週末などにおこなわれる。なお,その詳細は,戸河内町のウェブサイトで確認することができる。
 マイカーの規制がおこなわれるのは,それだけ多くのマイカーが,三段峡周辺にやってくるからである。とくに,三段滝に近い,水梨林道に多くのマイカーが集中すると危険である,という事情もあるだろう。そのような事情もあって,三段峡駅周辺と,水梨林道において,進入の制限がおこなわれるのである。そして,三段峡駅前,深入山駐車場,水梨林道の終点の駐車場などを結ぶバスが運行されることになっている。
 この際,思い切って,それらの範囲においては,マイカーの進入を全面的に禁止することまでは考えてはどうだろうか?

渋滞が発生しないために

マイカーで三段峡を訪れる人の多くは,中国自動車道の戸河内ICを利用しているように見える。また,ふだん,三段峡方面を訪れない人は,川沿いにくねくねと走る国道191号線の運転がスムースにはできないだろう。そのため,三段峡から戸河内ICにかけては,この時期,渋滞が発生しやすい。そこで,思い切った規制が必要になると考えるのである。
 具体的には,三段峡周辺へのマイカーの乗り入れを原則禁止するのである。そして,戸河内駅裏のふれあいセンターの駐車場や,戸河内ICそばの道の駅の駐車場を,三段峡訪問者のために利用させるようにする。そして,可部線なりバスなりで,ピストン輸送させればよいのではないだろうか。
 マイカーでの訪問を規制することで,訪問者の総数が減少する懸念もなくはない。しかし,こういう方策が,これまで検討されたことは,一度でもあったのだろうか,それは大いに疑問である。

自然を「売り」にするのだから

三段峡の最大の魅力は,そこに自然の片鱗が残っていることであり,その割には遊歩道がきちんと整備されていることである。極端な表現をすれば,本通りやシャレオでショッピングを楽しむようなスタイルで訪問することすら可能な,自然の大渓谷であることが,三段峡の魅力である。だから,マイカーで,日常をひきずったまま訪れる必要はない。その直前のわずかな距離だけでも,マイカーにくらべると輸送する人員の割には環境への不可が少ないとされる鉄道で訪問することがふさわしい。
 しかし,可部線を走る車両は,ディーゼルカーである。これが電車だったら,なおふさわしいと感じる。「登山電車」という言葉すら,似合うかもしれない。しかし,可部線を電化するには,相当な経費が必要であろう。トンネルも,その高さを広げなければ,架線を張ることができない。
 いま,財団法人鉄道総合技術研究所では,「バッテリートラム」という車両の研究がされている(詳細は,財団法人鉄道総合技術研究所のウェブサイトのプレスリリースなどで参照することができる)。これは,車両に搭載した二次電池(充電が可能な電池)で走行する電車であり,急速充電が可能なしくみになっているため,ブレーキ時に発電ブレーキを利用することで充電したり,短時間の停車時間の間に充電をしたりすることが可能だという。これは,路面電車用の車両として考えられているようだが,三段峡を訪れる車両としても,適したものになるだろうと私は思う。


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