撮影日記


2003年09月09日(火) 天気:晴

火星大接近

少女マンガはウソが多い?

私は学生時代,コミックを主に扱う古本屋でアルバイトをしていたことがある。このとき,それなりの量のコミックを読むことになった。それまであまりコミックなどを読む機会はなかったのだが,それまで読んでいなかった分を,この機会に一気に取りかえしたような気がする。
 それらは,基本的に「マンガ」である。架空の世界が舞台になっている場合も多い。したがって,設定にかなりの無理があったり,科学的に「ほんまか?」という状況が用意されている場合も多い。しかし,それは所詮,空想の世界だから実はさほど不自然には感じないのである。ところが,いわゆる「少女マンガ」は少しその感覚が違う。現実世界が描かれているにも関わらず,「大ウソ」が平気で描かれていたりする。覚えている例を1つ紹介してみよう。
 そのお話は,人間が火星に移住するようになってから数世代後の未来が舞台であった。そのなかには,銀河を支配する?人たちがあり,「赤く光る星は不吉だ」とかなんとか言って,火星を破壊するのである。それも,たとえばミサイルを打ちこんで破壊するというようなものではなく,不思議な力?で破壊してしまうのである。・・・・まあ,このあたりは,完全に「架空の世界」のお話といえるから,どんなにめちゃくちゃな設定があっても,さほど問題ではない。むしろ,自然に受け入れさせてしまえば,作者の物語を作る能力が優れているということにほかならない。問題は,このお話のラストシーンである。その舞台は,火星が破壊された後の地球上である。登場人物の1人が,子どもから「あれが火星?」と聞かれて,こう答えるのだ。「もう火星は見えないよ。」・・・・ここまでは,問題ない。しかし,最後に「この時期には見えていたんだが」という一言を言う。

火星は,恒星じゃないぞ!

天体望遠鏡

この夏は,「火星大接近」という話題で,天体望遠鏡がよく売れていたらしい。火星は,数年ごとに地球から観測しやすい状態になるわけだが,今年は特別に条件がよいということのようだ。そこで,最接近の少し前に,古い天体望遠鏡を押入れの奥からひっぱり出して,火星見物の用意をしているのだが,時間に余裕のあるときには曇りがちで,よく晴れている日には余裕がない。そんな日が続いていたのだが,ようやく火星をじっくりと見物する時間を確保できた。
 ちなみに,うちには安物であるが,天体望遠鏡が2本ある(どちらも,おそらくは30年くらい前のものと思う)。1つは,PENTAXの5cm屈折鏡(f=500mm)で,まあ「おもちゃ」のレベルであろう。ただ小さいので,月や惑星をちょっと見てみようか?という用途には使える。もう1つは,Vixenの8cm屈折鏡(f=1200mm)で,いちおう赤道儀になっている。ただ,なまじ大きいので持て余し気味であり,使う機会がほとんどなかった(笑)。最近は,口径10cmくらいの反射鏡(しかも,コンピュータ制御もできるようなもの)が数万円から売られているようだ。本格的に天体見物をするならば,うちにあるような古い望遠鏡は処分して,こういう最近のものを買えばいいのだろう。もっとも,いま,そこまで天体見物に力をいれるつもりはないので,もうしばらく古い天体望遠鏡を大切に持っておこうと思う。
 それに,この8cmの望遠鏡でも,火星の極に,白い部分があるように見えたのだから。

大きいことはいいことだとは限らない

天体望遠鏡は,わずかな明るさの天体を見るために,できるだけ多くの光を集めることが望ましい。一方,小さくしか見えない天体を,少しでも大きく見るためには,できるだけ焦点距離が長い方がよい。多くの光を集めるためには,口径が大きいほどよい。しかし,焦点距離が長くなると,同じ口径でも視野は暗くなる。とはいえ,単純に口径が大きいほど,天体望遠鏡はその能力が高いと言っていいだろう。
 そこで,以前からうちにあった5cm屈折鏡に加えて,後に8cm屈折鏡を入手したわけだが,これは焦点距離が1200mmもあるので,実はあまり明るくないのである。また,屈折望遠鏡の場合,焦点距離が1200mmあるということは,鏡胴の長さも1200mmあるということである。この望遠鏡一式は木箱にうまく収まるようになっているのだが,この木箱はうちのクルマのトランクにギリギリのサイズである。うまく入れないと入らないのだ。
 その点,反射望遠鏡は比較的鏡胴が短くなる。やはり,これから本気で天体を見るつもりなら,そういうものを買った方がいいことは間違いない。


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