撮影日記


2003年07月21日(月) 天気:曇のち晴

大判カメラ事始め2 (3)

出番を待つ「トヨビュー45C」

なにせ,週末ごとに雨模様の天気なので,せっかく入手した「トヨビュー45C」を持ち出して使う機会に恵まれない。撮影に出かけるたびに,「使う場面」に出会えないかと,必ずダンボール箱一杯の「トヨビュー45C」一式をクルマには積み込んでいたのだが,とにかく使う機会がほとんどないのである。なんといっても,その重さ,大きさが災いして,使いたくなる場面が限られるし,雨でも降ろうものなら,蛇腹が気になって持ち出すことはないのである。
 また,クイックロールスライダーも,そのメリットを生かす機会がない(6×9判の撮影もできる,というメリットは実感しているが)。
 そう考えると,やはり,モノレール型ビューカメラは,スタジオ用なのかな?と思わざるを得ないわけである。

セクシーなニンジン

ところで,今日はようやく雨から解放されそうである。そして午後になって,
「やっと晴れたか。」
 そんな気分である。部屋に,午後の日差しがやわらかく射しこんでいる。「トヨビュー45C」を使って,いわゆる「ブツ撮り」の練習でもやってみよう,という気分になった。
 さて,なにを被写体にしようかな?
 なにか,「洒落た」小物でもあればいいのだが,そんなものにはどうも縁がないようだ(笑)。ふと,台所を見るとおもしろいものが目に入った。
 「そうだ,これを被写体にしよう。」
 椅子の上に置き,蛇腹を伸ばしていろいろと撮影してみたのである。
 それは,実にセクシーなニンジンであった。(笑)

 
 

モノレール型カメラは接写に強い

このニンジンを何カットか撮ってみたかったので,クイックロールスライダーを用い,マミヤプレス用のロールフィルムホルダを使うことにした。この装置は,遮光板の動きが連動するので(だから,クイックでもあるのだが),その動きは重く感じる。うかつに動かすと,カメラのセッティングがずれてしまいそうである。しかし,カメラを固定していろいろなカットを撮る場合,たしかにクイックロールスライダーはたいへん便利な装置であることを実感する。
 これくらいの倍率の接写は,「マミヤユニバーサルプレス」でもやってみたことがある。「マミヤユニバーサルプレス」の場合は,中間リングなどを使って接写をすることになり,レンズのヘリコイドでピントを合わせることのできる範囲が狭く,接写に向いたシステムカメラではない(撮影倍率がほぼ固定される「複写」には向いている)。
 一方,「トヨビュー45C」の場合は,蛇腹のおかげで,無限遠から接写の領域まで,連続的にピントを変えることができる。あたり前のことであるが,蛇腹のメリットを強く感じたのである。しかも,前アオリも後アオリも自由にできる。前アオリでピントをあわせ,ニンジンのセクシーな姿を強調できるように,少し後アオリを効かせて撮ってみたのである。


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