撮影日記


2003年07月20日(日) 天気:曇ときどき雨

雨中大作戦 その翌週も雨

大雨の後

週末は,西日本一帯で大雨だったようで,とくに九州では土石流で死者も出た地域もあるという。土石流が,途中の防災ダムを破壊したところもあるとのことで,これがまた,全国的に無用なダムを作る理由に使われるのかなと想像したりする。まあ,毎年のことながら,いわゆる集中豪雨による災害は,恐ろしい。幸い,広島では,今回の一連の雨による大きな災害は報道されていないようである。
 さて,朝,起きてみると天気はうす曇,いわゆる梅雨前線が瀬戸内海付近にあるので,天気が急変する可能性はあるものの,撮影日和になりそうな感じである。ただし,梅雨の末期らしく,雷警報は発令されていた。大雨による災害があった直後に不謹慎かもしれないが,こういうときは川や滝が増水して迫力のある風景を見ることができるかもしれないだろう。
 そこで,久しぶりに,常清滝を訪れようと考えた。

つり橋のある風景

出発して,周囲を見回してみると,山にはかなり霧がかかった状態になっている。霧のなかの常清滝もいいが,霧のなかの可部線も撮ってみたくなったので,行き先を変更した。そして,まず,宇賀の集落へ向かう。ここに架けられているつり橋と増水した太田川に,可部線の列車を絡めて撮ってみようと考えた。
 かつて,太田川の中〜上流にかけて,いくつかの橋や渡し船があったという。その橋も簡素なものから次第に立派なものが架けられるようになり,昭和30年ころまでには自動車も渡ることができるようなつり橋がいくつか架けられたようだ。それらのつり橋は,その後,大型自動車も楽に渡ることができるような橋に架け替えられたりして,姿を消している。宇賀大橋は,現役で活躍している,そういう古いスタイルのつり橋である。これと似た橋の痕跡としては,津浪と香草の間(昭和橋)に使われなくなった状態で残っているものや,加計駅の裏ある支柱に見ることができる。また,橋の架け替えの影でひっそりと,いくつかあった渡し船も役目を終えたようだ。
 余談ながら,宇賀の集落の奥にある宇賀ダムも,なかなか見ごたえのある建築物だと思う。

雨の日でも三段峡

宇賀での撮影を終えると,空が少し明るくなってきた。このまま晴れてくれる(少なくとも雨は降らない)ことを期待して,久しぶりに三段峡を柴木の方から歩いてみることにした。歩くことを目的としたので,カメラは軽量にまとめようと思ったが,結局,マミヤプレスとレンズ3本(75/5.6, 100/3.5, 250/5)を,三脚(スリック・マスター)とともに持って行くことにした。運動不足の身には,これでも辛いものがあるが,「トヨビュー45C」と「ザ・プロフェッショナル」の組み合わせにくらべれば,十分に小型軽量コンパクトな組み合わせである(笑)。
 さすがに,三段峡も水量がいつもより多い。いつもはその名前の如くに2本の細い流れが見られる「姉妹滝」も豪快な滝に変貌していたし,「竜ノ口」の撮影は,少し恐怖も感じた。また,「赤滝」にあった落石防止と思われる柵が取り払われており,見やすくなっていた。さて,遊歩道の頭上には木が茂っているので気がつかなかったのだが,いつのまにか弱い雨が降っている。しばらく歩き続けたが,止む気配はない。時節柄,いつ大雨に変わるかわからないので,「黒淵」の手前で引き返すことにした。
 この日は,連休ということもあってか,三段峡を歩く人もけっこう見かけたが,ともあれ,「週末になると雨が降る」,これだけはやめてもらいたい。ということで,「トヨビュー45C」を使う機会に,なかなか恵まれない(笑)。


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