撮影日記


2003年07月13日(日) 天気:大雨

雨中大作戦

消え行く町並み

ある掲示板で呼びかけられていた,江波方面の撮り歩きに参加した。集合時刻は15時,集合場所は江波山気象館前の駐車場とのことである。江波には,広島南道路という大きな自動車道路が通ることになっており,少しずつ古い町並みが消えつつあるという。これを撮り歩くのは,大きな魅力がある。
 このような古い町並みは,大きなフィルムでかっちりと写しておきたい。また,引きのないような場所も多そうなので,アオリができるといいかもしれない。また,こういうなにげない町角で,モノレール型カメラを使うというのも,おもしろいかもしれない。
 マミヤプレスかタチハラフィルスタンドあたりで参加することも考えたが,残念なことに天気は雨である。今回は下見の意味も兼ねて,小型カメラで参加することにした。こういう場合は,やはり,ウエストレベルファインダーを使いたい。「ローライフレックス」や「ニコンF3」(PCニッコールを使うのもいいだろう)もいいが,今日の気分は,なぜかエキザクタだった。久しぶりの,「エキザクタVX」の出番となったのである。レンズは,Carl Zeiss JenaのBiotar 58mm F2が好みだが,傘をさしての撮影になるため,少しでも操作が簡便になる,自動絞りのPancolar 50mm F2をおもに使用することにした。

雨は激しく

江波には,広電の電車で向かった。集合場所の江波山気象館は,その名の通り,江波山という山(丘というべきか?)の上にある。広電の江波終点からそこまでの,おもなルートは2つある。1つは,自動車でも上がることのできる,遠回りだが広くて緩やかな坂道。もう1つは,近道だけど,急な石段を上がらねばならない道である。集合時刻に遅れそうだったので,迷わず,近道を行くことにした。
 しかし,雨である。それも,ただの雨ではない。大雨である。
 坂道は濁流が流れ,石段は滝である。時節柄,撮影日が雨天になってしまったのはしかたがない。だが,この撮り歩きの提案者は,なぜこんな場所を集合場所に選んだのか,大いにクエスチョンであり,少々恨みすら感じた(笑)。
 少し遅れて集合場所にたどり着いたが,この瞬間に,さきほどの小さな恨みの気持ちはきれいに消えてしまった。なぜならば,彼は,(中古だが)最近買ったばかりのハッセルブラッドを持参していたのである。この雨の中を,それも,ただの雨ではない。大雨である。なんてすばらしい男だ。
 また,彼は,素足にサンダル履きという,こんな日の撮影にふさわしいスタイルであった。たしかに,これなら濡れても問題ない。

傘をさしての撮影

1時間ほどの撮り歩きの間,雨は止む気配を見せない。むしろ,激しくなったかもしれないくらいである。今日は,モノクロフィルムを詰めて出かけたので,被写体の,色よりも形を気にしながら歩いてみる。傘をさしての撮影は,やはりウエストレベルファインダーが扱いやすい。傘が視野に入ってくることもなく,傘をさしたままの姿勢で,そのまま撮ることができるのである。また,ウエストレベルファインダーでの撮影が中心になる場合は,エキザクタのように,シャッターレリーズボタンが前面にある方が使いやすい。雨が激しいせいか,道を歩く人は少なく,あまり人目を気にせずに撮ることができる。

Exakta VX, Pancolar 50mm F2, HP5 (scan:EPSON GT-9700F)

ここは天気のよいときに,もう一度訪れたいものだ。そのときは,ニコンF3とPCニッコールの組み合わせもいいだろうが,トヨビューあたりを使ってみるのも,洒落ているだろう。
 まあ,今日のような日の撮影スタイルとしては,素足にサンダル履きで,カメラは「ニコンピカイチカリブ」あたりの防水カメラを持ち出すのが,正解である。


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