撮影日記


2003年05月19日(月) 天気:はれ

Vivitarには,またまたびびった

海外通販はおもしろい

「写真趣味とカメラ趣味は,似て非なるもの。」私はそう考えている。そして,「されど,相互に補完するもの。」「そして,両立可能なもの。」とも考えている。カメラ趣味といっても,ライカのような高価なものを収集する趣味はない。カメラ趣味の対象は,あくまでも「安価で」おもしろそうなカメラである。このようなカメラを探すために,ときどき,いわゆる海外通販なども利用することがある。WWW上には,多数の通販ショップがあるので,こういう遊び方もお手軽にできるというものだ。
 そのような通販ショップでは,多種多様の日本製のカメラも多く見かける。いわゆる高度成長期を中心に,カメラは日本の主力輸出商品だった名残ともいえるだろう。日本でのブランド名のまま輸出され流通しているものもあるが,型番を変更されたり,あるいはOEM供給され,海外の商社ブランドなどで流通しているものも見かける。そういったカメラのなかには,日本国内ではほとんど売られなかったのではないか,と思われるものもあり,興味をそそる。
 そんなある日,よく利用する海外通販サイトにおいて,「Vivitar XC-3」という妙なスタイルのカメラに目がとまった。

頭の大きなカメラが好き

私は,写真趣味としては,ニコンの一眼レフカメラをよく使う。数あるニコンの一眼レフのなかで,私がもっとも興味のあったものは,「F3AF」というカメラである。ファインダーが妙に大きいところを「かっこいい」と感じるのであった。実際には,機能的制約が大きく,その反面,価格が不当に高価に感じられることもあり,購入することはなかった。このカメラは,ボディの基本構造を変えずにファインダー部分にAFのための回路などを追加して「建て増し」しているため,そのような妙なスタイルになったのである。
 そして,今回,目にした「Vivitar XC-3」は,ファインダー部分に妙な装置が「建て増し」されていた。WWWをいろいろと調べてみると,このカメラはM42マウントのカメラとして,わりとポピュラーな存在であるらしいことなどがわかった。
 そして,この建て増しされた装置は,露出計に連動して,内蔵モーターが,シャッター速度ダイアルを自動的に回し,適切なシャッター速度を選んでくれるようになっているという。非常におもしろそう!(画像で,装着しているレンズは,現在所有している唯一の自動絞りM42マウントレンズ,メイヤー社のOreston 50mm F1.8)

うぃーんうぃーんと

今回は神戸の知人の協力も得て,このカメラを入手することができた。さて,いざ実物を手にしてみると,ボディは案外小型で持ちやすい。自動絞りのM42マウントのために,シャッターレリーズボタンのストロークは尋常ではなく長いが,シャッターを切るという動作については案外と軽快である。そして,シャッターレリーズボタンを押し込むことで露出計がONになるのだが,これにともなって,モーターがうぃーんうぃーんと音をあげ,シャッター速度ダイアルを回してくれるのである。そして,露出計が適正を示すとき,その回転は止まる。受け取った当初,この装置の動作は不安定であった。古い製品なので,動作が不安定になっているのかなと,あきらめかけたが,気を取り直して電池を新しいものに交換すると,なんの問題もなく元気に動作するようになった。
 今回,このように「おもしろい」カメラを入手したことで,大いに満足感を得ることができた。さらに,ようやくまともなM42マウントのカメラを入手できたという満足感もある。M42マウントには,古今東西数多のレンズがある。また,安い,おもしろそうなレンズを見つけたら,このカメラで使ってみたいものだ。
 このカメラは,日本のコシナ製であり,「COSINA CSR」という名称でも流通していたようで,発売は1976年とのこと。1976年というと,Canon AE-1発売の年だ。こういうしくみのカメラをそんな時代につくったCOSINAもすごいが,それをOEM供給してもらったVivitarも,なかなかやるもんだ。
 ビビターには,またまたびびった(1999年10月2日の日記を参照)。というわけである。


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