撮影日記


2003年04月21日(月) 天気:はれ

リコーのカメラ

これからの主流はディジタルカメラ

4月20日付けの「時事通信」は,「リコーがフィルムカメラからの完全撤退を考えている」ことを伝えた。少しずつ製品のラインアップが縮小していき,ついに現在の在庫品の販売が終了した時点で,フィルムカメラから完全に撤退することになるという。リコーは,昭和初期から続く,古いカメラメーカーである。しかし,すでにカメラ以外の製品(たとえばコピー機とか)の方が,イメージとしても強いかもしれない。ただ,フィルムカメラから撤退しても,ディジタルカメラには力を入れることになるという。
 先に,ミノルタとコニカの統合が話題になっていたが,ここでもフィルムカメラのブランドとして,「コニカ」は使われなくなるという。コニカは,日本最古のカメラメーカーとされている。老舗のブランドの消滅は,やはり時代が変わったことを意味しているのだろう。
 その一方で,1970年代にカメラ市場から撤退した興和(「コルゲンコーワ」で有名な企業)が,近々ディジタルカメラの新製品を発売するとのことである。定評ある望遠鏡にディジタルカメラを組みこんだ製品らしい。フィルムを使ったカメラの市場は縮小傾向にある一方で,ディジタルカメラの市場は,まだいろいろと模索が続いているようだ。

リコーのカメラといえば

リコーのカメラといえば,なにが思いつくだろうか?昭和初期から注目に値する機種を出していたようだが,やはり歴史的に名が残るものとしては,「リコーフレックス3型」ではないだろうか。これは,第2次世界大戦後に,当時としては画期的な低価格(本体¥6,800)で発売された,二眼レフカメラである。上玉と下玉がギアで連動している,見るからに簡素な機械であるが,当時,プレミアがついて高値で取引されるほどの人気商品になったという。リコーフレックスは,その後,モデルチェンジを重ね,多くの製品が市場に出回った。そして今,多くの中古カメラ店のショーウインドウに,ひっそりと佇んでいるわけである。できれば,「MIOJ」(「占領下の日本製」を示す/Made in Occupied Japan)の刻印の入った「リコーフレックス3型」を,カメラ史の重要なアイテムとして,コレクションしたいものである。ただし,激安価格で入手したい(笑)。
 リコーのカメラで,次に有名なものとしては,やはり「オートハーフ」のシリーズだろう。低価格なカメラを目指した「オリンパスペン」のコンセプトをマネしたとも言えるが,ゼンマイ式のワインダーを内蔵するなど,より「誰にでも写せる」カメラとして完成したといえるだろう。ピントは固定だが,セレン光電池による自動露出機構とゼンマイ式ワインダーの組み合わせで,電源不要のフルオートカメラを実現しているのである。ハーフカメラとしては,オリンパスペンのシリーズの2番煎じともいえるが,やはりこれはカメラ史に名を残すものであろう。
 もう1つ,リコーのカメラで忘れられないのは,やはり「リコーのサンキュッパ」こと「XR−500」である(笑)。これらに共通することとして,少しの割り切りを含むことで,使えるカメラをとにかく低価格で市場に提供するという姿勢が感じられる。だから,GRシリーズは,いいカメラだったのかもしれないけれど,カメラ史に名が残るかといえば,それは大いなる疑問である。

リコーのカメラも使ってみようかな

先にあげた3機種(リコーフレックス3型,リコーオートハーフ,リコーXR−500)は,いずれも所有していない。したがって,自分で使ったこともない。使ったことがあるリコーのカメラは,2機種しかない。1つは,「リコーオートショット」という35mmフルサイズのカメラである。「リコーオートハーフ」のフルサイズ版といえるだろう。ピントは目測で調整できるが,この描写はあまりよいものとは思えなかった。また,ディジタルカメラで「DC−3」というものを以前,使用していた。これは,レンズ先端1cmまでの超接写が可能なこと,接写のときはピントがマニュアルで合わせられることなど,35万画素機として非常によいディジタルカメラであった。しかし,レンズの歪曲が冗談ではないレベルだったことが残念である。
 ということで,私のなかでは,リコーのカメラには歴史的名機が含まれるものの,決してその時代の最高の品質のものではない,というあまりよい印象ではない。「リコーオートショット」については,その描写などをもう一度確認したいのだが,残念なことに露出計が不動になってしまっている。
 実は,「リコーエルニカ」という,レンズシャッターカメラを1台,使わずに眠らせている。これは比較的大口径のレンズを搭載した上位機のようである。これをなるべく早い時期に試してみなければ,と思う,今日このごろである。


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