撮影日記


2003年04月05日(土) 天気:はれ

遠くの名所に通うよりも

サクラは多くの人を引き寄せる

去年は例年になく異常に早く開花したサクラだが,今年はほぼ通常通りの時期に満開を迎えたといえるだろう。そして,サクラの季節になると,多くの人が「お花見」にやってくる。また,多くの人が,サクラの写真を撮るためにあちこちへでかけるようになる。
 広島県内にも,サクラの名所と呼ばれるところはいろいろとある。一般的な観光名所からいわゆる銘木,あるいはあまり知られていないところにひっそりとあるサクラを求める人もある。
 有名な撮影地には,それなりに立派な光景が存在する。しかし,それ以上に,自分と同じく,写真を撮る人も多くやってくる。そんな場では,「場所取り」など醜い争いが生じることも少なくないと思われる。そういうようすを見ると,「写真を趣味とする」者として,「あんな連中と一緒にしないでくれよ」と心のなかでつぶやくのであった。昨年の安野駅でも,そういう光景を見ることができたが,今年はどうなのだろう?

今年は三滝寺を撮ろうと思う

 今年,私は,三滝寺をじっくりと撮っていこうと思うようになった。三滝寺は,広島市西区にある。JR可部線で横川の次の駅,三滝駅から徒歩15分ほどのところである。市街地から極めて近いわりには,深山幽谷的雰囲気が味わえる,貴重な場所だと思う。
 この周辺にもサクラが多い。先月半ばからようすを見ているが,わずかの高低差の影響なのか,サクラの品種が違うのか,下のほうからだんだんと開花していくようすがわかるので,それを見るだけでもおもしろい。
 そして,今週,いよいよ多宝塔のところにあるサクラも花を咲かせた。

近いんだからじっくり通いたい

三滝寺には,狭いながら駐車スペースがある。しかし,そこは早朝には開放されていない。だいたい8時ころから開放されることが多いようだ。また,多宝塔付近に正面から日光があたるのは8時から9時ころのようなので,すなおに8時過ぎに訪れてみた。この時間帯だと,すでに写真を趣味とする人が集まっているかもしれないという危惧はあった。しかし,多宝塔の前に人の気配はまったくない。ただ,お花見の場所取りと思われる巨大な青いシートだけが存在していた(笑)
 まったく,風情も何もかもぶちこわしてくれる無粋な存在なわけだが(笑),幸いにもこれを写野から外して構図をつくることができた。そして,ほかに写真を撮る人に合わぬまま,1時間以上じっくりと楽しむことができた。はっきり言って,ここのサクラは,枝ぶりも(少なくとも現在は)イマイチといえる。だからこそ,他の人に邪魔されることなく,じっくりと撮影できたというわけなのかもしれない。
 今年は,この三滝寺の四季の変遷を追いかけてみたいと考えている。遠くの名所に通うよりも,近くにじっくりと通うこともおもしろいと感じているのである。


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