撮影日記


2003年03月20日(木) 天気:はれ

重さの意味

重さを不満に感じないとき

最近,各社から初心者向けとされる35mm判AF一眼レフがいろいろと発売されている。これらに共通する特徴として,とにかく「小さく,軽い」ことがある。かつて,一眼レフカメラは大きく重かった。気軽に写真を撮りたいだけの人にとっては,それは大きな苦痛だったのである。また,一眼レフカメラはコンパクトカメラにくらべて自動化が遅れたこともあり,「難しい」機械として敬遠された傾向もある。
 一方で,写真に本格的に取り組もうとする人にとっては,「自動化」や「小型軽量化」を必要としないケースも少なくない。AFやAEが進化しても,いざというときには,すべてマニュアルで調整することで,はじめて意図どおりの表現ができることもある。また,大きく重いカメラほど撮影時の衝撃が少なかったりする場合もあるし,頑丈で信頼性の高いカメラは,どうしても重くなる傾向もある。
 たとえば,私の場合,マミヤプレスやニコンF3などについては,それが「重い」ことはたいした不満ではない。

ニコンF−401は無意味に重い

1985年,ミノルタから発売された「α-7000」によって,一眼レフカメラも「完全にフルオートで使える」時代に突入した。そして,初心者用とされるモデルも,積極的に投入されてくるようになった。
 ニコンからは,(F3AFを除く)最初のAFモデルF-501(1986年)に続いて,F-401(1987年)というモデルが投入された。これはストロボを内蔵し,ボディにある2つのダイアルで絞りとシャッター速度を制御できるようになっている。シンプルな操作系や,旧来のマニュアル用レンズを使うための機構が省略されているなど,(ニコンの)一眼レフカメラに対する初心者を意識した製品であると言える。
 このように,気軽に使いたいカメラではあるが,どうもこれは無意味に重いと感じるのであった。電源が,単3乾電池4本であることも影響しているのかもしれないが,それにしても重い。もっとも,単3乾電池4本で動作するストロボ内蔵一眼レフは,貴重な存在ではあるが。

キエフも重い・・・

かつて,小型カメラの主流の座がレンジファインダー式カメラから一眼レフカメラに変わっていったのは,いろいろな面で一眼レフが有利だったからである。とくに,接写や望遠レンズを使うときのピントやフレーミングの正確さは,レンジファインダー式カメラには逆立ちしたって敵うものではない。もっとも,レンジファインダー式カメラも,さまざまな複雑な装置を併用して逆立ちを試みてはいたわけだが。
 しかし,それでもレンジファインダー式カメラを愛用する人はいる。それは,レンジファインダー式カメラには,それならでわのメリットがあるからだ。たとえば,暗いところでのピント合わせは,2重像合致式ファインダーの方がはるかにおこないやすい。また,広角レンズのピント合わせも,一眼レフより有利である。さらに,一眼レフカメラにくらべて,ボディや交換レンズがコンパクトであるというメリットもある。
 私が使っているレンジファインダー式カメラの1つに,ソ連製の「キエフ3a」がある。このレンズの描写はシャープで気持ちよく,交換レンズも実にコンパクトである。しかし,ボディが異様に重いのである。言うまでもないが,第二次世界大戦前のドイツで作られた「Contax」を引きついだカメラであるが,もともとのメカニズムが非常に凝ったものだったらしく,複雑で重いカメラになってしまったようである。


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