撮影日記


2003年03月14日(金) 天気:はれのち雨

Tマウントレンズたち

一眼レフカメラと交換レンズ

一眼レフカメラを使うことのメリットの1つとして,さまざまな交換レンズを使い分けられることがあげられる。だから,一眼レフを使うようになると,交換レンズがほしくなる。現在は,ズームレンズを使う人が多くなっている。ズームレンズは1本で,単焦点レンズ数本分の効果を得ることができるので,たいへん便利である。しかし,かつてはズームレンズは単焦点レンズにくらべると,性能的に大きく劣るとされていた。また,写真を勉強するときには,標準レンズ1本だけからはじめるべきだ,という人も少なくなかったようだ。
 一般的に,50mmの標準レンズの次は,28mmくらいの広角レンズ,135mmくらいの望遠レンズを買うケースが多かったと言われている。一般に,一眼レフカメラボディとレンズをつなぐ部分の形は,メーカーによって異なる。つまり,A社のボディにはA社のレンズしか使えない。だから,カメラメーカーは自社のボディ専用にさまざまな交換レンズをラインアップさせてきた。一方,各社のボディにあわせて交換レンズを供給する「レンズメーカー」もあらわれてきた。
 そういうメーカーの1つに,泰成光学(現・タムロン)があった。最初の一眼レフ用交換レンズとしては,1958年に135mm F4.5の交換レンズを発売したことが,同社のウェブサイトに記されている。このレンズは,「Tマウント」と称する交換マウントシステムを採用していた。

交換マウント方式

「Tマウント」は,直径42mm,ネジのピッチ0.75mmのねじ込み式マウントである。したがって,自動絞りや開放測光などには連動しない。そのかわり,非常に多くの種類の交換マウントが用意されていたようである。現在,私が所有しているものは,ニコンマウントとエキザクタマウントだけであるが,ミランダやペトリ用のマウントさえ,実際に目撃したことがある。
 現在,タムロンは「アダプトール2」という,バヨネット式の交換マウントを採用している。これは,マニュアルフォーカス用レンズだけが対応しているものだが,TTL開放測光やAE機構にもかなり対応できるようになっている。製品のラインアップは縮小傾向にあるが,中古市場には豊富にさまざまなレンズが流通している。
 これら交換マウント式の交換レンズは,マウントアダプタさえあれば,絶版になってしまったカメラ用の交換レンズを確保できることになり,興味深い製品であるといえる。

なにを期待していたんだ・・・?

ところで,現在,私は2本のTマウントレンズを所有している。1つは,「TAISEI-ROKUNAR 55-90mm F4」というズームレンズである。「TAISEI」は「泰成」,つまり「タムロン」の初期の製品ということだろう(しかし,ROKUNARの意味はわからない)。タムロンのウェブサイトにも,同じものと思われるレンズが掲載されている。もう1つは,「VEMAR 28mm F3」という単焦点の広角レンズである。「VEMAR」は「コムラー」の輸出用ブランド名らしいが,詳細はわからない。
 先の日曜日,この2本のレンズを持って,散歩にでかけた。いわゆる「試し撮り」のためである。天気もよく,このくらいの焦点距離のレンズは,お気軽に写真を撮るには適しているようだ。
 どちらも,古い廉価なレンズと思われるが,思ったよりもちゃんと写ってくれる(ちょっと期待はずれだったりするが)。ただ,やはり古いズームレンズだからだろうか,画面内に光源が入ってくると,期待に応えて見事なゴーストを見せてくれた。たまにはこういう遊び方もいいだろう。


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