撮影日記


2003年02月16日(日) 天気:雨のち曇

お散歩撮影にはレンジファインダーカメラが適しているのか?

いつもカメラを持っていたい

理由はともかく,私はいつもカメラを持っていたい。いつも持ち歩くには,少しでも小型軽量なものがいい。しかし,「写ルンです」では,不満である。コンパクトディジタルカメラという選択肢もあるが,ディジタルカメラは,後処理が面倒である。
 この場合,ふつうの35mm判フィルムを使うコンパクトカメラという選択肢が,もっとも無難であろう。オリンパスXAシリーズ,ミノックス35シリーズなど,小型で扱いやすく,そこそこきちんと写るカメラも多い。AF,ストロボ,ズームレンズなどを備えた多機能カメラも便利だ。しかし,便利な反面,狙ったものにピントが合っているかどうかの確認ができなかったり,レンズがとにかく暗いなどの制約もある。
 そんなとき,レンジファインダー式のシステムカメラが気になってくるであろう。

「キエフ」について

私が最初に入手したレンジファインダー式のシステムカメラは,ソ連製の「キエフ4m」である。これは,戦前のContaxの流れを受け継ぐカメラである。距離計の精度は十分に実用的で,レンズもなかなかにシャープである。また,標準レンズは極めて小型であり,シャッターレリーズボタンのそばにあるギアでピントを合わせることもできる。つまり,フィルムを巻き上げ,露出をセットした後は(ここまでは被写体を見なくてもできる),ファインダーで被写体を見ながら右手だけでピント合わせとシャッターレリーズができるのである。
 レンジファインダー式カメラの場合,一眼レフにくらべると,交換レンズが驚異的に小さいことも,大きな魅力の1つである。また,「キエフ4m」には露出計が内蔵されていることも,ポイントが高い。
 ただ,このキエフのシリーズは,重い。また,シャッターを動かすメカニズムに布製の紐が使われており,長く使っていると,この部分が切れやすくなってくる。実際に,「キエフ4m」はその紐が切れて撮影不能になってしまったので,後に「キエフ3a」を購入した。

「フェド」,「ゾルキー」について

ソ連製のレンジファインダー式システムカメラは,安価なものが大量に出回っているので,レンジファインダー式システムカメラを体験してみたいとき,手はじめにはいいかもしれない。ただし,基本的に「中古」カメラなので,価格に見合って状態のよくないものもある。実際に買うときは,その分野に強いお店で買うのがよいだろう。
 さて,ソ連製のレンジファインダー式システムカメラには,Contaxの流れを継ぐ「キエフ」のシリーズと,バルナック型ライカの模倣からはじまった「フェド」「ゾルキー」のシリーズがある。「フェド」の初期のものは,バルナック型ライカを模倣したものだが,フランジバックが微妙に異なるなど,バルナック型ライカとの互換性はないとされる。一方,「ゾルキー」は第2次世界大戦後につくられており,こちらは互換性がある。バルナック型ライカタイプのカメラは,ほんとうにコンパクトである。しかし,露出計は内蔵されておらず,ファインダーも2眼式で,やや使いにくい。
 「フェド」は,少なくとも1990年代後半まで製造されていた。最後のシリーズの「フェド5」には,露出計が内蔵され,ファインダーも1眼式になり視度調整が内蔵され,ホットシューもある。このような実用的なカメラに仕上がっているのだが,従来のコンパクトさは失われてしまった。


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