撮影日記


2003年01月01日(水) 天気:行ったところは「晴れ」でした

撮り初め(その2)

近鉄は続くよどこまでも

叡福寺から金剛バスに乗って,近鉄喜志駅まで戻ってきた。まだ日は高い。ついでにどこかへ行きたくなった。喜志駅の券売機の前で,近鉄の路線図を眺めながら,どこへ行こうかと少し思案した。たとえば,橿原神宮へ行くのもいいな,と思った。どうせなら伊勢神宮に足を伸ばしてみようかな,とも思った。
 近鉄の路線は,(JRを除いた)私鉄としてはもっとも長い。大阪,京都,奈良,三重,岐阜,愛知の各府県に路線が伸びている。いろいろな歴史のある,各地の私鉄を合併して大きくなった路線網だから,路線によって,線路の幅も違うものが混在している。そこで,1つ,大切なことを思い出した。
 そうだ,北勢線に乗りにいこう。

軽便電車

近鉄北勢線は,三重県の桑名(北勢線の駅名は西桑名)と阿下喜を結ぶ支線である。この路線は,2本のレールの幅がわずかに762mmしかない。新幹線や大手私鉄でよく用いられている1435mmにくらべると,たったの半分。それにあわせて,電車も小さい。かつて,「軽便鉄道」として全国各地につくられた,小規模な路線の名残である。このような路線は,岡山県の下津井電鉄が廃止になった後は,三重県にある近鉄の支線,桑名から出るこの北勢線と,四日市から出る内部・八王子線だけが残っている。
 この北勢線は,つい最近まで廃止問題に揺れていた。近鉄が赤字を理由に,2003年3月末で営業を止めるというものである。結局,2002年8月になって,三重県が費用を負担し,別の鉄道会社によっての存続が決まったばかりである。
 なくなってしまうわけではないが,以前から一度乗ってみたいと思っていた路線でもあり,この機械に行ってみることに決め,桑名までの切符を買った。

その手は桑名の焼き蛤

さて,喜志から桑名へ向かうには,何度か乗り換えが必要である。まず,古市へ。ちょうど連絡していた吉野行き急行で橿原神宮前へ行く。ここで京都線の電車に乗り換えるのだが,さすがにこの駅は初詣客で大混雑していた。京都線の電車で,大阪線との乗換駅大和八木へ着いたのは,ちょうど1時を過ぎたところである。そして,伊勢方面に向かう快速急行は・・・と時刻表を見ると,なんと50分待ちである。これでは,桑名につくころにはもう薄暗くなっているかもしれない。ところが,伊勢方面行きの特急は,すぐにくるようである。しかたない,特急に乗ろう。近鉄の特急は,京阪や阪急とは違い,座席指定制で,その料金はけっこう高いのである。近鉄の策略にはまってしまった気分だ(笑)。
 高い料金をとるだけあって,特急はまあまあ快適で,しかも速い(とはいえ,新幹線に乗り慣れると,実に狭くて遅いわけだが (^^;)。伊勢中川では,名古屋行き急行との連絡もよく,桑名には3時すぎに着くことができた。はじめて訪れた桑名であるが,お正月だからだろうか,実に静かな街であった。さて,北勢線のホームへ向かうと,やはりというべきか,普及型望遠ズームレンズ付きAF一眼レフカメラを持った,大学生くらいと思われる人が数名。ちょうど入ってきた北勢線電車にレンズを向けている。
 便は意外と多く,1時間に2〜4本くらい走っている。せっかくだから,2駅ほどだけ乗ってみることにした。西桑名の次の駅は馬道という。この駅を出ると,雰囲気のいい石段が見えた。あとから調べると,ちょっと有名なお寺があったようだ。どうせならそこで降りるべきだったな・・・・・日はかなり傾いてきていたが天気はよかったので,マミヤプレスとミノックス35ELに入っていたフィルムを撮り切ることができた。
 帰路は,きちんと電車の時刻を確認し,特急を利用することなく大阪まで帰ることができた。ところが,大阪府内に入ると,外は大雨である。桑名でのいい天気がウソのようである。しかし,大晦日にクルマを洗ったばかりなんだけどなぁ・・・・


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