撮影日記


2001年09月15日(土) 天気:大雨洪水警報のち晴れ

浴室が暗室です

テレビ,新聞,そして写真。かつては,モノクロ表現だったメディアは,現在,ことごとくカラー表現がされるようになっている。しかし,モノクロ写真には,熱心な愛好家が多い。これには,いろいろな理由が考えられるが,おおまかには次の2点に集約されるのではないだろうか。
 1 色の情報に頼らない表現手法がおもしろい。
 2 現像,プリント作業に取り組みやすい。
 とくに,自分で現像,プリントをするという作業に取り組みやすいことが,モノクロ写真の大きな魅力になっているのではないかと考えている。

一般に,フィルムは,わずかな光にも鋭く感光するため,未現像のフィルムは,完全な暗黒の状態で取り扱わなければならない。一方,モノクロ用の印画紙は,セーフティライトと呼ばれる赤っぽい光線には感光しないため,作業の環境は,完全な暗黒にする必要がない。これによるメリットは,非常に大きい。
 1つは,完全なきっちりとした暗室を作らなくてもなんとかなることがある。画像は,私がモノクロプリント作業をおこなうときの,装置の配置であるが,ご覧のとおりここは浴室である。幸い,うちの浴室には窓がなく,ドアの手前には厚いカーテンがあるので,ここに面した部屋の照明さえ使っていなければ,十分に暗室として使える状態になるのである。また,浴室なので,水には困らず,換気扇もある。そのかわり,ここに装置を置きっぱなしにすることはできず,使うときだけセットアップして使うようになるため,ここに見られるような,いわゆる「入門機」レベルの引伸ばし機くらいでないと使うことができない。
 ほかには,焼き付けた印画紙を現像液に浸すとき,像が現れてくるようすが目で確認できることが,大きな要素である。この過程が楽しくて,モノクロプリントにはまったという話も,耳にすることがある。
 かつてモノクロプリントをやっていた方も,まだモノクロ写真の経験がない方も,もし,現在の自分の写真に行き詰まりを感じていたら,モノクロ写真に触れて,気分を変えてみるのも,いいかもしれない。


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