撮影日記


2000年12月15日(金) 天気:はれ

ディジタルカメラの楽しみ方

ふと,思い出したことがある。数年前,仕事でディジタルカメラ(たしか,FUJI DS-505だったと思う・・・)を使っていたプロの人が,こんなことを言っていた。
 「ディジタルカメラの場合,蛍光灯による照明がもっとも調子がよく,あとの調整がやりやすい色に仕上がる。」
 そのとき,仕上がりの印刷物を見せていただいたが,いわゆるサービスサイズ程度のものであれば,特に問題ない画像に見えた。しかし,少しでもそれより大きく印刷した見本は,いかにもディジタルらしいチープな画像になっていた。しかし,印刷物の品質(線数など)によっては,もう少し大きくしても使えそうな印象ではある。

最近,仕事が忙しく,写真を撮ることができない日が続く。それどころか,これまでに撮った写真を整理したり,単にカメラをいじるような時間もほとんどなくなってしまった。ちょうど,Ni-MH(ニッケル水素)電池を入手したこともあり,ここしばらくは,ディジタルカメラを持ち出して使っている。
 私の使っているディジタルカメラ,OLYMPUS C-1400Lは,ピントも露出もマニュアル調整ができない,「撮りごたえ」のない機種である。それも,これまで作品制作に使おうと思わなかった理由の1つかもしれない。遠景を中心とした風景写真は,C-1400Lで撮っても,美しくないし,楽しくないのである。

ところが,あまりの忙しさのせいで,ついつい,深夜寝る前などに,手近にある小物を撮ってみようと思いたった。C-1400Lは,普及モデルとして初めて一眼レフの光学系を採用した機種である。クローズアップレンズを含むフィルタワークも自在で,小物の接写が非常に手軽にできる。
 そうやっていろいろと撮っているときに,重大なことに気がついた。
 それは,仕上がりがすぐに確認できるというメリットが,たいへん大きいことである。
 室内で小物の接写をする場合,重要な要素としては,ライティングの問題がある。これは,それなりの照明機材と経験を必要とするものである。ストロボを使うと,光の当たり具合が見えにくく,ストロボを使わない場合は,光源の色の問題がある。ところが,ディジタルカメラには強力なホワイトバランス機能があり,たしかに,蛍光灯によるライティングでも,あまり不自然でない色に仕上がってしまう。また,ストロボを使う場合でも,仕上がりがすぐに確認できるので,撮り直しが必要かどうかの判断がすぐにできる。
 ディジタルフォトの場合,撮影時のカメラ操作よりも,被写体のセッティングや,撮影後の画像処理に時間をかける方がよいのかも知れない。


← 前のページ もくじ 次のページ →