2000年07月23日(日) 天気:はれのちくもり
高級機,中級機,普及機
カメラ雑誌などで,製品の紹介をする記事を読むとき,必ずといっていいほど,表題のような区分がされていることに気がつくだろう。このとき,高級機と普及機はなんとなくそういう区別をする気持ちもわかるが,中級機というものは,その位置づけが中途半端に感じられる。
ここに並べたカメラは,ニコンの35mmAF一眼レフである。F-801は高級機,F-601は中級機,F60Dは普及機として区分されることが多い(F4などのF一桁シリーズは,超高級機として扱われるようだ)。
これらには,どういう違いがあるのだろうか?
まず,F60Dをみてみよう。
撮影モードがたくさんある。絵文字式の「シーンセレクタ」というやつだ。ポートレイドモード,風景モード,スポーツモードなど5種類がある。それ以外に,通常のプログラムAE,シャッター速度優先AE,絞り優先AE,マニュアル露出モードがある。必要十分な機能がそろっている。もちろん,露出補正やAEロックもある。
逆に,なにが物足りないか考えてみる。ファインダー交換や視野率100%は,超高級機だけが満たす性能だから,なくてもあきらめがつく。他にも,「ない」機能はいろいろあるが,個人的に,やはりあって欲しかった機能は,プレビューボタンだ。もう1点,F60Dは,昔のMFレンズを使うときに,露出計が働かない。この2点は,やはり不満を感じる。
次に,F-601を見てみよう。
実は,機能的には,上位機のF-801を上回っている部分もある。具体的には,オートブラケットと,後幕シンクロである。F-801では,これらの機能はオプション機器で対応している。
そういう多機能な製品ではあるが,これも,プレビューボタンがない。残念な話だ。
それでは,F-801はなぜ高級機なのだろうか。
ストロボ同調が1/250秒で,その他拡張性もあって,という基本性能の高さも重要な要因である。しかし,それ以上に重要なこととしては,「造りがしっかりしている」ことをあげたい。
少しわかりにくいが,F60D,F-601,F-801の裏ぶたを並べてみた。
裏ぶたのロックは,フィルムをしっかりを守るという意味で,非常に重要な機構と言えるだろう。
この3機種を比べてみると,F-801だけ,ロック部は金属部品で,裏ぶたに取り付けられている。他の2機種は,裏ぶたと一体のプラスチックである。実物を見て比べればすぐに気がつくだろうが,非常にチープな造りをしている。しかも,なにかのはずみでこの爪が欠けてしまうと,裏ぶたを丸ごと交換しなければならなくなる。
こういう部分に,高級機と中級機以下の差がはっきり現れるのだろう。
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