撮影日記


2000年05月11日(木) 天気:雨のちくもり

夕立前

連休中のある日,突然思い立って,カメラをもってふらりとでかけた。とりあえず,近鉄の「あべの橋」に行った。さて,どこに行こうかなと考えていると,ちょうど「さくらライナー」(特急)の便がある。まだ乗ったことがなかったので,これに乗ることにした。いまさら,吉野へ行くのもどうかと思い,特急停車駅を見てみると,「飛鳥」にも停まることがわかった。
 飛鳥は,以前にもなんどか行ったことがある。散歩するのによい場所だと思う。すでに午後だったので,あまり欲張らずに,軽く石舞台まで歩いてみようと思った。
 飛鳥をはじめて,自分の意志で訪れたのは,たしか中学生のときだったと思う。高松塚古墳の壁画(といってもレプリカだが)を見に行くことが主目的だったのだが,資料館がなぜか休館中で,見損なってしまった。その後,どうしても高松塚古墳の資料館に行く機会が持てなかった。

高松塚古墳の近くに,休憩所があり,そこで地図が配布されている。これをもらって,石舞台方面にぶらぶらと,道すがら,軽くシャッターを切りながら歩いた。
 この日,使ったカメラは,ローライフレックス。言うまでもない,二眼レフカメラの最高峰である。価格もそれなりに高い。と,思う方も少なくないと思うが,本当に高価なのは,F2.8のプラナーが搭載されたモデルである。私のローライフレックスは,第2次世界大戦直後の,一般にもっとも品質が悪かったと言われる時代のモデルで,レンズもおそらく戦前設計のコーティングなしのテッサーである。とはいえ,テッサーは,当時,高性能レンズとして評価のあったレンズであり,無理のない焦点距離,無理のない明るさのレンズであるため,実用上,まったく問題ない,素直に写るよいレンズである。
 背の高い二眼レフカメラは,お散歩用カメラとして適切かも知れない。ストラップで首からぶら下げたまま,ウェストレベルファインダーを覗いて,そのままシャッターが切れる。6×6判で,12枚撮りというのも手ごろだ。

飛鳥は,やはりハイキングやサイクリングの観光客が多い。随所で,写真を撮ったり,スケッチをしたりしている人をみかける。
 この日,天気予報は,夕立があることを言っていた。私は,すこしでも身軽に歩くため,傘を持っていかなかった。もう少しで石舞台まで到着するころ,急に空が暗くなり,雷の音さえ聞こえてきたので,引き返すことにした。
 そして,近鉄の飛鳥駅についた瞬間,激しい雨が降ってきた。

ROLLEIFLEX Automat type4, Carl Zeiss Jena Tessar 7.5cm F3.5, ILFORD XP2

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