撮影日記


1999年10月24日(日) 天気:快晴

大判カメラ事始め (5)

4×5判カメラは,一般に「高い」と思われているようだが,決してそんなことはない。国産の組立暗箱なら10万円くらいでも買えるし,レンズも標準系のものなら6〜7万円で買える。中判カメラや,35mm高級システム一眼レフと価格を比べているといいだろう。また,木製の組立暗箱は,驚異的に軽い。さらに,ヘリコイドのない4×5判用レンズも,驚くほど小さく軽い。
 カメラ自身は驚くほど高くはないが,1コマあたりのフィルムのランニングコストはどうしても高くなる。実際に,1コマの面積が広いのだから,仕方ないと言えば仕方ないのであるが。E100VSの10枚パックが2500円ほどで,現像が1枚300円くらいである。合計して1コマあたり550円。2コマで1100円。35mm判や中判に比べればたしかに高いが,4×5判の大画面には,それだけの費用をかける価値があるというものだ。

ところで,4×5判のフィルムは,1枚ずつのシートになっている。これを,暗室でフィルムホルダにセットして使うようになっている。フィルムホルダは,1つが2000円くらいするが,できれば4〜5枚は用意しておくといいだろう。

4×5判用フィルムホルダの例
アメリカ・リスコ社のリーガル

フィルムホルダにフィルムをセットすることは,慣れてしまえば難しいことではない。しかし,はじめてのうちは,慎重に丁寧に行うべきだろう。フィルムのセットをミスすることは,単にフィルムを1枚,無駄にするだけではない。貴重なシャッターチャンスを逃してしまうことにもなるからだ。
 フィルムのセットで気をつけなければならないのは,次の3点に集約できるだろう。
 1.オモテ・ウラを間違えないようにする。
 2.引き蓋の溝に間違って入れないようにする。
 3.フィルムを傷つけたりしないようにする。
 シートフィルムには,下の左図のように,切り欠きがあるので,この向きを間違えないようにすればよい。そして,下の右図のように,引き蓋の溝の下の溝に,ただしくフィルムを挿入することが重要である。これらをきちんと行った上で,さらに,フィルムに不要な傷や汚れをつけないようにするのである。

この向きにセットすると,乳剤面が上になるので,傷をつけないように気をつけること。 溝は2重になっている。上は,引き蓋の溝なので,間違えないようにすること。

さらに,撮影後にも気をつけなければならないことがある。それは,2重写しをしないことだ。ホルダに番号をつけて,どのフィルムを使ったかをメモすることも重要であろう。しかし,もっと簡単な方法がある。撮影後,引き蓋を裏返してしめるとよいのだ。そうすると,引き蓋の取っ手部分は,裏が黒くなっているので,区別が簡単につくのである。

引き蓋の取っ手が黒くなっているコマは,撮影済みである。

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