撮影日記


1999年08月30日(月) 天気:はれ

大判カメラ事始め (2)

このたび入手した大判カメラは2台ある(買ったわけではない (^-^;)が,どちらも昔からある「組立暗箱」と呼ばれるタイプのものだ。ただ,最近では,「木製折りたたみ式ビューカメラ」あるいはもっと洒落て「フィールドカメラ」と呼ばれることもある。セットアップにはやや慣れが必要だが,画面サイズが大きいわりには,携帯性もよく,それほど重くない。
 大判カメラの本も買ってきて,いろいろ読んでみたが,やはりこういうものは実際に使ってみないとわからない。そこで,早速カメラを持ってでかけたのである。

入手したカメラ,レンズのうち,もっとも興味をもったものは,「タチハラ フィルスタンド45」というボディと,フジノンの150mm F6.3レンズである。
 「タチハラ フィルスタンド45」は現在でも製造,販売されているようだ。北海道の天然桜材を使用したハンドメイド製品だとのことである。この種のカメラは,実用品と同時に工芸品でもあると言えるだろうか。持っているだけでも,うれしくなるものである。しかし,カメラは実際に撮影に使ってこそ価値があるのだ。
 150mmレンズというものは,4×5判においては「標準レンズ」と言ってよいだろう。その画角は,6×9判での100mmレンズ,35mm判での43mmレンズに相当する。蛇腹の長さやアオリ量に制限のある「フィールドカメラ」には,手ごろな焦点距離だと思う。

「タチハラ フィルスタンド45」に「フジノンW・S 150mm F6.3」を取り付けると,このように写欲をそそるスタイルになる。三脚は,「スリックマスター」を自由雲台に乗せ換えたもの。

大判カメラと言っても,35mm判カメラなどと理屈は同じである。構図を決めたら,絞りとシャッター速度の組み合わせで露出を決め,ピントをきちんとあわせればよいのである。もっとも異なるのは,やはりフィルムであろうか。4×5判では,ロールフィルムではなく,シートなのである。撮影にでかける前に,暗室や暗箱あるいはチェンジバッグを利用して,フィルムホルダにフィルムをセットしておかねばならない。
 今回は,モノクロフィルムを使った。あくまでも大判カメラの練習なので,ランニングコストを押さえたい(笑)。しかし,これを現像すると言っても,いつもやっている35mm判や中判のようにはいかない。現像タンクが対応していないのだ。そこで,暗室内で,いわゆる「皿現」をすることになる。

すべてが慣れないことなので,やはり不安であった。しかし,とりあえずきちんと像を得ることができた。
 記念すべき,4×5判でのファーストショットの被写体には,アオリの効果が試せるように「建物」を選んだ。

 高い建物を撮るために,フロントをライズさせて構図を決め,さらに少しティルトさせている。

TACHIHARA Fielstand45,
FUJINON W S 150mm F6.3,
F45, 1/8sec, NEOPAN 100


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