撮影日記


1999年08月26日(木) 天気:あめ

大判カメラ事始め (1)

写真を趣味とする人は多いだろう。そして,そういう人たちにもっともよく使われているカメラは,35mm判のシステム一眼レフではないだろうか。この種のカメラは,多機能高性能なものが多く,交換レンズなども充実しており,さまざまな撮影に対応できるのだ。
 私は仕事柄,フォトエージェンシーなどからストックフォトを借りる機会が多い。これらの写真は35mm判で撮られたものも少なくないが,特に風景や静物写真などは,中判や大判で撮られたポジが多い。
 これらの実物を目にすると,その衝撃は大きいだろう。35mm判の24mm×36mmというサイズは,決して大きいものではないことを思い知るはずである。もっとも,実物に接する機会が少なければ,言葉ではわかっていても,このことはなかなか実感できるものではないと思う。なぜならば,35mm判でも,実用上十分な品質を持っているからである。

しかし,大きいことは,いいことなのだ。
 印刷原稿としてこれら写真を使うとき,やはり35mm判では無理を感じることがある。どうしても,大きな判の写真にあこがれてしまうのだ。
 もちろん,35mm判にもいいところはたくさんある。むしろ,大判の方がメリットは少ない。いや,大判はただ大きいだけで,他にメリットはないと言ってもいい。いわゆる機動性だの,速写性だのという言葉とは無縁である。だが,じっくり構えて撮る風景写真などには,それはデメリットにならない。

35mm判と6×9判でさえ,面積がこれだけ違う!

ともあれ,大きな判の写真を撮りたいという欲求は,常にもっていた。とはいえ,これまで私は,中判カメラである「マミヤユニバーサルプレス」で十分に満足していたのだ。このカメラは,6×9判の写真が撮れる。これは,画面の縦横比が35mm判とほぼ同じで,35mm判の6倍以上の面積があるのだ。また,超広角から望遠レンズまで,システムも充実している。しかし,難点もある。生産が終了して10年ほどになるカメラなので,オプション類がもはや手に入らないのだ。いつまで,このシステムを維持できるか,予断は許さない。
 ところが最近,実に運がいいことに,大判カメラ一式を入手することができた。大判カメラというものは,基本的に「箱」である。その前後にレンズやフィルムホルダをとりつけるのだが,これらはほぼ規格が一定している。つまり,安心していつまでも使えると言えるのだ。

私は,大判カメラについては,まったくの初心者である。これから,少しずつ勉強していって,アオリなどのテクニックも自在に使えるようになりたいものである。
 さて,注文していた「ネオパン100」が届いた。ところが,もう1つ,買いたいものを忘れていた。冠布だ。今日,注文したが,はたしていつ入荷するだろうか。


大判(4×5),中判(120),35mm判のフィルムパッケージを比べてみる。

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