撮影日記


1999年08月14日(土) 天気:はれ

便利なタムロンレンズ

写真撮影において,レンズの選択は重要な要素の1つである。特に,いろいろな焦点距離のレンズを持っていれば,表現手法の選択の幅が広がる。
 そんなとき,ズームレンズは便利だ。とはいえ,ズームレンズは単焦点レンズに比べて問題点が多い。レンズ枚数の多さなどによるヌケの悪さや像の甘さ,あるいは歪曲収差による周辺像の乱れなどは決して見逃すことのできない重大な問題である。過去に,いわゆるレンズメーカー製の普及価格帯のズームレンズには,かなりひどいものがあった。そのため,私は基本的にレンズメーカー製のレンズは信用していなかった。
 しかしながら,最近の製品では非球面レンズや特殊分散ガラスの採用などの技術的進歩によって,描写能力はかなり改善されてきている。実用上,特に大きな問題は認められないようだ。画質が「満点」でなくとも,とりあえず「合格点」であれば,ズームレンズはその利便性が大きく活きてくる。

最近は,28mmから200mmを1本でカバーするような高倍率のものが一般的になってきた。このようなレンズは,極めて便利である。これ1本でスナップ撮影に挑むのもいいだろう。また,常にバッグの隅に忍ばせておけば,いろいろ役立つこともあるだろう。
 ところで,レンズメーカーの1つ,タムロンの「アダプトール2」というシリーズの製品は,特に便利である。これはマニュアルフォーカス用であるが,マウントが交換式になっている。交換マウントさえ入手すれば,1本のレンズがいろいろなメーカーのボディに装着できるようになるのである。複数のマウントの異なるカメラを持っている人には,非常にありがたい仕組みだと思う。マニュアルフォーカスの35mm一眼レフカメラを愛用する人にとっては,タムロン・アダプトール2の28mm-200mmズームレンズを1本持っておくことは,何かと便利だろう。

ところで,普及価格帯の高倍率ズームに,画質を過度に期待してはいけない。画質に少しでも「満点」に近いものを求めるなら,やはり単焦点レンズを選択するべきだろう。高倍率ズームは,素直にその利便性を大いに享受する使い方をすればいいのである。


TAMRON 28-200mm F3.8-5.6 ASPHRICALレンズと
交換マウントの例 (Nikon Ai, PENTAX K(A), TOPCON RE)

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