撮影日記


1999年08月03日(火) 天気:はれ

クラカメは視線がもらえる

スナップ写真というジャンルがある。一般には「(動く被写体を)素早く撮影すること」「相手に気づかれないように自然な状態を撮ること」などと定義されている。
 ところが,自分が気がつかないうちに写真を撮られ,しかも,それを自分が気がつかないところで公開されるということは,時に非常に不愉快なことがある。また,写真を勝手に撮られることを極度に嫌う人も少なくない。そのために,知らない人にレンズを向けることに抵抗を感じる人も多いだろう。
 そこで,遠くから望遠レンズでこっそり撮ることで,被写体の自然な状態を得るという方法を選ぶことが多くなると思う。これも1つの正当な方法だと思うが,これを「盗撮」と称して嫌う人がいるのも現状だろう。

ところで,スナップに適したカメラはどんなものだろうか。やはり,いろいろなレンズが選択できる,システム一眼レフカメラを選ぶ人が多いと思う。最近の一眼レフは自動化が進んでおり,「素早く撮影する」ことについては非常に長けている。しかし,普通の人は,急に一眼レフのような「本格的な」カメラを向けられると,一瞬警戒してしまうのではないだろうか。また,目線を避けられてしまうことだろう。「相手に気づかれないように自然な状態を撮る」には,やや不利な面もあるだろう。
 では,コンパクトカメラはどうだろうか。これは操作が簡便なために,「素早く撮影する」ことはさほど問題ない。相手もあまり警戒しないと思われるので,「自然な状態を撮る」ことにも有利だと思う。しかし,コンパクトカメラの場合,どこにピントが合っているかを確認しにくいことや,最短撮影距離があまり短くないことが多いことのため,表現方法に制約が出てきてしまう。

そこで,私はおもにスナップを撮るときには,一眼レフよりもコンパクトカメラを使うことが多い。また,いわゆる「クラカメ」も,スナップには適しているのではないかと思う。「クラカメ」は「素早く撮影すること」には適さないことがあるが,慣れてしまえばさほど苦ではない。特に,レンジファインダー機のピント合わせは,視野の中心にあわせるだけならば,一眼レフよりも楽である。
 さらに,クラカメは外観が特異なものがある。それらは,けっこう目立つようで,道行く人が目線をくれたりすることがあるのだ。宮島で,シカを「EXA」で撮っていたら,たまたまその向こうを通る人が,目線をくれた。


EXA, JENA T 50mm F2.8, R1 filter, GEKKO VR-2

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