撮影日記


1998年09月22日(火) 天気:台風が!来なかった(^_^;

コンパクトカメラもおもしろい
〜2焦点レンズ搭載カメラ

最近のコンパクトカメラは,ズームレンズ搭載機が主流である。コンパクトさが優先されているので,望遠側では開放値がF10を越えることも珍しくない。こんな暗いレンズが使いものになるのかと疑問に思うこともあるが,基本的に近距離撮影が多いのでフラッシュに頼ることができることと,高感度フィルムの一般化で,あまり問題にならなくなっているわけだろう。

「ピッカリコニカ」以後,ほとんどすべてのコンパクトカメラのレンズの焦点距離は35mmまたは38mmのものになった。しかし,コンパクトカメラユーザーのなかにも,望遠レンズやより広角なレンズを使いたいという欲求があらわれてくる。それに対応するように,まずはフロントコンバージョンレンズが発売されるようになった。しかし,これはレンズ交換などが極めて面倒だし,カメラ本体以外にレンズを持ち歩くことになり,コンパクトカメラのもっとも重要な要素である「コンパクトさ」が失われる。そのせいか,それほどは普及しなかったように思う。
 そこに出現したのが,コンバージョンレンズを内蔵した「2焦点レンズカメラ」である。110カメラやハーフサイズカメラなどには比較的早期に実現されていたようだ。35mm判フルサイズのフルオートカメラではじめて2焦点レンズを搭載したカメラは,フジ「タンデム」(1985)だと思う。「タンデム」のレンズは,フジノン38mm F3.5と65mm F6の切りかえ式である。その後,コニカ「望遠王」(1986)など各社から発売され,一時はかなりのブームになった。
 私はそのうちの1つ,ニコン「ピカイチテレクォーツデート」(1986)を入手している。Nikon LENS 38/65mmを搭載し,38mmモードでは40cmまでの近接撮影もできる「すぐれモノ」だ。ところでこの種のカメラは,レンズ後群にテレコンバータが挿入されるしくみになっているものが多く,一般に大型である。しかし,コンバージョンレンズを別に持ち歩くことを考えれば,ケタ違いに便利であることは間違いない。

ところで,2焦点レンズの場合,広角側と望遠側の差は,せいぜい2倍である。2焦点レンズカメラも,2倍近い焦点距離差を持たせた「高級機」と,1.5倍程度の焦点距離差を持った「普及機」に分化していく。
 その後,さらに大きな可能性を求めてズームレンズを搭載した機種の出現を見るようになり,2焦点レンズを搭載したカメラは姿を消すのである。


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