撮影日記


1998年09月20日(日) 天気:はれ

コンパクトカメラもおもしろい
〜5枚構成レンズを搭載したカメラ

「ピッカリコニカ」Konica C35 EF以前のコンパクトカメラは,どちらかというとレンズにこだわっていたように思う。まだ,高感度フィルムは一般的ではなく,フラッシュ撮影も簡単ではなかった。そのせいか,室内でも撮影可能なF1.8クラスの大口径レンズが搭載されているものが珍しくなかった。
 「ピッカリコニカ」以後,薄暗いところでの撮影は簡単にフラッシュに頼ることができるようになった。コンパクトカメラに搭載されるレンズは,3群4枚テッサー型で38mm F2.8というのが主流になっていく。各メーカーが,とくには描写にこだわらなくなった時期であると考えられる。
 ところが,やがて5枚構成のレンズを搭載したものが一部にあらわれた。必ずしもレンズの構成枚数が多いほど描写がよいとはかぎらないが,コストがかなり重視されるであろうコンパクトカメラにわざわざ5枚構成のレンズを搭載するには,それなりの事情があってもおかしくない。その事情は,やはりブランドのイメージアップを狙っての「よい描写」を目指しているのだろう。

ミノルタα-7000登場前,一眼レフ市場に元気がなかったころ,ついに一眼レフカメラ専業であった旭光学が「ペンタックス オートロン」(1982)という機種で,コンパクトカメラ市場に進出した。
 当時のコンパクトカメラではすでに自動巻き上げも一般化していたが,「オートロン」は小型軽量を目指してノブ式巻き上げであった。ただし,オプションとして専用ワインダーが用意されていた。「オートロン」の評判はあまり耳にしていないが,レンズは5群5枚構成で,その描写がどのようなものか,気になるところである。最近,「オートロン」の後継機で,ワインダーとオートデートを内蔵した「オートロンS」(1985)を入手した。これもレンズは5群5枚構成のPENTAX LENS 35mm F2.8なので,近々試し撮りをするつもりだ。

他にも,5枚構成レンズを搭載したカメラが発売されている。まず,ニコン「ピカイチ」(1983)を忘れてはいけない。旭光学より遅れたが,ついにニコンもコンパクトカメラ市場に進出したのだ。レンズは,4群5枚構成のガウスタイプNikon LENS 35mm F2.8で,ニコノス用35mmレンズに近いものだと言われている。ボディデザインにはジウジアーロがかかわっているらしいし,ぜひとも入手したい1台だ。
 ペンタックスとニコンだけでなく,キヤノンも5群5枚構成のレンズを搭載して,「オートボーイスーパー」(1982)を送り出していた。このカメラは,フルオートコンパクトカメラとしてはもっとも明るいレンズ40mm F1.9を搭載している。これも,ぜひとも押さえておきたい機種だ。
 同じ時期に登場した,リコー「マイポート」(1983)FF-3AFも5群5枚構成のRIKENON 35mm F3.2を搭載している。このオートデート付きモデルFF-3DAFも最近入手した。これも試し撮りをしてみなくちゃ。


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