撮影日記


1998年04月07日(月) 天気:晴れ

コニカL

日曜日に立ち寄った「カメラのミッキー」で¥2,500で買った「コニカL」というカメラは,一見しただけでは何の変哲もない,古いファミリーカメラである。しかし,手にとってみると,今の感覚で考えるとあまりにも「変」な点がいくつかあることに気がつく。
 まずは,裏蓋である。「ふつう」は,蝶番で右に開くものが多い。あのKorelleでさえ,このタイプだ。また,古いカメラの中には,ニコンFやオリンパスペンのように,底からかっぽりと全体を抜くものも多い。ところがコニカLはこのどちらにも属さない。蝶番で「下」に開くのだ。実は,これが購入に至った動機なのである。
 次に,上面を見てみると,露出計があることに気がつく。レンズのまわりのダイアルを回したり,カメラを明るい方や暗い方へ向けたりすると針が動く。ところが,そのダイアルにはなにも目盛りがない。ただ,「ふつう」に考えれば,そこは絞りの調節であるはずだ。ところが,シャッター速度の調整はどこにも見当たらない。そこで私は,コニカLのシャッター速度は固定であり,露出計を見て絞りを調節するのだろうと考えた。まだ,AEのメカニズムをつくることが容易ではなかったのだろうか。
 このカメラについて,コニカへ問い合わせてみた。私の送ったメールに対して,担当のO氏が翌日に回答をくださった。私がメールを送ったのは夜だから,事実上即日回答してくださったことになる。すばらしい。その結果,次のことが判明した。
  1.発売は昭和36年9月であること。
  2.露出はプログラム式であること。
 この「2」に私は驚いた。説明によれば,ダイアルを回して露出計の針をマークに合わせると,適切な絞りとシャッター速度(1/30〜1/250sec)がセットされるという。よくよく音を聞いてみると,たしかにダイアルの位置によってシャッターの音が違うことがある。コニカLは,コニカのカメラで初のプログラム露光システムを取り入れたカメラだそうだ。
 このようなしくみをもちながら,AE(当時の言い方ではEE)化されていないのは,どうしてだろうか。コニカLでは,露出補正がしやすいようにも感じるが,ダイアルに目盛りがないので,実際には補正量がヤマカンにならざるを得ない。


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