撮影日記


1998年02月08日(日) 天気:雪ときどき晴

F

少し前のことであるが,Fを買った。そう,ニコンFだ。ニコン党を自称するなら,やはりいちどは所有しておきたいアイテムであるといえよう。今回ばかりは,純粋にコレクター的発想で購入したものだ。
 購入価格は¥40,000(1998年1月18日の日記を参照),外見的には,ところどころ傷があるものの,内部はきれいである。「きれい」と言っても,まったく使われていない「きれい」さではない。すり減るべきところは,それなりにすり減っていたので,大切に使われ,整備も悪くないことを示しているように感じた。また,動作もスムースであり,実用上問題はないだろうと判断した。
 ま,中古カメラの購入は,ちょっとしたカケのようなものだと言っていいだろう。
 ところで,購入したものは,フォトミックファインダーではなく,アイレベルファインダーモデルである。実用的に言えば,当然フォトミックファインダーを選ぶべきだし,私はファインダーの大きなカメラがカッコイイと思っているので,やはりフォトミックファインダーにするべきなのである。
 そこをあえてアイレベルファインダーを選んだ理由は2つ。
 1つは,純粋にコレクター的発想である。最近,アイレベルファインダーの価格が高騰する傾向にあるというのだ。下手をすると,とてもじゃないが買えない代物になってしまうのではないだろうか,という恐れである。
 もう1つは,露出計は壊れやすいことである。壊れたフォトミックファインダーを使うよりも,最初から露出計のないアイレベルファインダーを使う方が,潔いというもの。いつもの露出計(セコニック スタジオデラックス,通称スタデラ)を使えば,使用するにあたって何の問題もない。
 すでにフィルム2本ほど撮ってみたが,見れば見るほど,使えば使うほど,Fは古いカメラである。とくに裏蓋がちょうつがい開閉式ではなく,全体をはずすようになっていることがある。また,シャッターボタンが,妙に手前側についていることがある。
 スペック的には,特筆すべきものはない。最低限必要十分なものと言っていいだろう。
 しかし,ファインダーは意外と見やすい。そこはいかに古くなろうとも,世界中で絶賛された最高級機の証なんだろう。写真は機材じゃない,という考え方を好む人も少なくないようだが,写真がわかればわかるほど,適切な機材というものがわかってくると思うし,いい機材は,やはり写真が撮りやすいのだ。ニコンFのような名機は,いろいろな場面で,適切な機材となる機会が多いことだろう。


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