撮影日記


1997年12月17日(水) 天気:あめ

多分割はたぶん勝つ

年末,いろいろあったできごとが一段落したら,こんどは忘年会シーズンである。これがまたけっこう忙しい。先月以来,3本撮影したネオパンプレストの現像が全然できていなかったのだが,ようやくまとめて処理できた。日曜日に処理したかったのだが,定着液の買い置きを切らしてしまっていたため,いまごろになってしまった。
 このうち1本は,例のヨンサンハチロクで撮ったものである。ネガをルーペでみるかぎりでは,そんなに悪くは見えない。とうぶん,お散歩のおともにしようと思う。ニコマートFTというセミクラの範疇に入ってしまいそうなカメラとの組み合わせもなかなかにトレンディであろう。
 ところで,ニコマートFTは全面測光カメラである。FMやF3などのような中央部重点測光とは異なり,画面の隅にちょっと明るい部分がはいると,露出計の針がすうっと振れてしまう。なかなか慣れるのに苦労しそうである。こうなってくると,TTLとはいえ,なかなか露出計の値が信用できない。
 長年使ってきて慣れているからかもしれないが,FMの中央部重点測光は私の感覚にぴったりフィットするのだ。
 一方で,最近はスポット測光や多分割測光を搭載したカメラも増えている。いや,当たり前になっていると言うべきだろうか。ところで,私が体験したことのある多分割測光のカメラは,F-801だけである。今までのところ,このカメラは露出の「大はずれ」を出していないので,このカメラでスナップをするときは完全にカメラまかせでやっている。とはいえ,多分割測光は,カメラが画面のどこをどう判断して露出を出しているのか全然わからない。だから,AE使用時の露出補正なんてさっぱり見当がつかない。もっとも,全体にややオーバー目になる傾向があったので,常時1/3段ほど補正をかけたままにしてある。
 そう,多分割測光は,やはり「たぶん勝つ」測光なのである。カメラはその画面のどこをどのように判断しているのか,さっぱりわからないのである。露出機構が完全にブラックボックス化しているといえよう。
 ところで,ヨンサンハチロクでの撮影には,R1フィルターを併用している。これはやや濃い目の赤フィルターで,モノクロで風景を撮るときに強いコントラストを与えてくれるという。ネガを見た感じでは,そこそこコントラストがありそうであるが,これはフィルターの効果か否か,比較撮影をしていないので判断はできない。
 ともあれ,できるだけ早期にプリントのできる環境を整えたいものだ。


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