撮影日記


1997年11月15日(土) 天気:曇りときどき雨

雨でも撮らなきゃならない場合

勤務先の他部署で緊急に写真が必要になった。その写真は表紙に使うもので,どうしてもポジで撮影したいという。担当者はコンパクトカメラしか使ったことがなく,撮影に慣れていない。会社のα-5700を持ってきて,どうやって撮ればいいのか?と聞いてきた。基本的に賢いカメラだから,「カメラまかせで大丈夫,ただ,ブラさないように三脚だけは使うように」と教えたのだが……。
 結局,一緒に撮影しに行かなければならない状態になった(笑)。決まったのは,金曜日の夜のことであった。
 撮影したいものは,ある大学の校舎。翌日の土曜日,天気は朝からよくない。ただ,天気予報では,日中の降水確率は20%でいちおう回復傾向にあるという。一縷の望みをもって現地へ向かう。
 土曜日でもあり,大学に人はほとんどいない。
 さらに,なんというか見事な紅葉である。ところが,この写真を使うのは1月号の表紙なのだ(大爆笑)。とりあえず,Nikon FMで撮影をはじめる。空がどんよりどよどよの状態なので,紅葉や空が入らないように,校舎の壁などのアップを撮ってみた(壁に校章がはいっていたりする)。PLやLBA-4などでなんとか色を出そうと試みた。
 次に,正面へいってみる。大学名が刻まれた石材が置いてあるところだ。ここから大学全体を撮ればけっこう絵になるのだが,見事な紅葉とどんよりした空である。でも,いちおう撮っておく。
 学内に入る。ここも素晴らしい紅葉だ。イチョウがきれいに色づいており,地面にもほどよく葉が落ちている。これを見て私はキレた。開き直って,紅葉を撮ってやろう。そうなると,Mamiya Universal Pressも使うことになる。
 イチョウを入れて校舎を撮ろうと,望遠レンズで狙ってみると,その校舎が「国際学部棟」であることを示すプレートが見えた。ここには大学名が入っていないが,この大学の特徴的なものであろう。
 そうこうしていると,突然の大雨。さすがにこれは撮影は無理だろう。しかし,私たちは傘を持っていなかった。ただそこでじっとしているだけ。雨がやんだのでとりあえず遅い昼食を食べに街に戻る。食事を終えて大学に戻ってみると,おお,わずかに青空が広がり太陽も出てきている。最後の数コマではあるが,ちゃんとした日光の元で撮影ができた。
 しかし,これらの中に「使いもの」になるコマがあるのかどうか,それは疑問である。


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