撮影日記


1997年09月03日(水) 天気:はれ 朝ちょっと雨

「鉄」の写真,失敗の巻

先日は,久しぶりに「鉄」の血が騒いで錦川鉄道を撮影しに行ったのだが,見事に失敗であった(笑)。
 思いっきりブレているのである。
 8月31日の日記の最後に書いたが,やはり鉄道写真は難しい。そう,被写体が動くということを十分に意識できていなかったのだ。シャッタースピードを1/60secにして撮影したのだが,これでは遅すぎたのである。
 仮に,列車が40km/hで走っていたとする。この場合,1分間には
   40×1000÷60=666.6667 [m]
進む。1秒間では
   666.6667÷60=11.1111 [m]
になる。したがって,1/60secでも,その間に列車は,
   11.1111÷60=0.185 [m]
も進むのである。露出中に18cm以上動かれては,激しくブレて写るのも当然だ。
 対処としては,次の3つが考えられる。
 まずは,動いていない列車を狙う方法。駅に停車中を狙ったり,その前後の極めてゆっくり走っているところをターゲットにするのだ。
 または,シャッタースピードを速くする。絞りは開放にし,フィルムも高感度のものを使用すれば,1/500sec以上のシャッタースピードが使えるであろう。
 もう1つは,流し撮りにチャレンジすることである。
 今回は,まずマミヤプレスを使用した。マミヤプレスでは,いつもは三脚に据えつけて風景を撮影している。被写体をしっかりととらえ,風が弱まり光線が適当になった瞬間を見計らってシャッターを切る。このときシャッタースピードはたいてい1/15secよりも長い。1secという設定も平気で使用する。だから,1/60secでも十分に速いだろうと,現場では誤解をしていたのだ。
 マミヤプレスのファインダーは,距離計内蔵のビューファインダー(いわゆるレンジファインダー)なので,厳密なフレーミングが得られにくく,視野の中央部以外にピントを合わせることは容易ではない。だから,いつもはフィルムバックをはずして,そこにピントグラスをつけて構図をつくり,ピントを合わせている。しかし,このやり方では,動く被写体をとらえることはできない。流し撮りなんて,霊感ヤマカン第六感を総動員しても難しいだろう。そこで,あらかじめピントをある1点に合わせておき,そこを被写体が通過する瞬間にシャッターを切るようにしている。それでも誤差が生じるだろうと考え,やや絞って使用したため,シャッタースピードが1/60secしか得られなかったという事情である。
 次の機会には,今回の教訓を十分にふまえて撮影する。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, E100S

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