撮影日記


1997年04月07日(月) 天気:曇りときどき晴れ

マミヤプレス用50mm F6.3レンズは
たしかにすごい

このページの読者の方から,「(内容が)なかなか濃くてよいぞ」というご感想をいただいた。これからも,このペースでがんばって書いていきたいと思う。もっとご感想を聞かせていただきたいし,内容に客観的な誤りがあったら,ぜひご指摘をお願いしたい。

ここ数年,いわゆる「ロシア製」のカメラやレンズがかなり出回るようになったらしい。ロシアでは旧ソ連時代から,ライカを模倣したとされるカメラが製造されていた。品質管理がよくない面がある一方,軍需と民需の区別がほとんどなかったことから,高度な軍需技術を反映したかのような「銘品」もときどきでてくるらしい。
 ちまたのカメラマニアの間では,こういういわゆる「ロシアカメラ」ならびにいわゆる「ロシアレンズ」が密かにブームになっているという。なんと言ってもドイツ製品にくらべて,きわめて安いのだそうだ。
 カメラ雑誌で最近よく紹介されるいわゆる「ロシアレンズ」に,「20mm F5.6」というものがある。超広角レンズだが,35mm判としてはかなり暗い。一眼レフだと使いにくいが,ロシアカメラはライカ型,つまりいわゆるレンジファインダー式カメラだからそれほど問題ない。このレンズの前玉(最前面のレンズ)はビー玉のように,ぽこっと飛び出している。その姿と対照的に,像には歪曲がほとんど見られないらしい。無理に大口径化していないことや,バックフォーカスを長くとる必要がないことからこのようなレンズが可能だったのだろう。

マミヤプレス用50ミリレンズMamiya-sekor 50mm F6.3で撮影した写真の現像が仕上がってきた。なんと,すばらしくシャープだ。コントラストもけっこうある。周辺光量の不足も,周辺での歪曲も目立たない。さらに,フィルター枠の厚い普通のPLフィルターを使ってもケラレていない。
 このレンズの姿であるが,ロシアの20mm F5.6超広角レンズのように,前玉がぽこっと飛び出している。中判用レンズのため,ビー玉のようにとは言いがたい大きさであるが,占い師の使う水晶玉の小さいやつがついているようなものだ,と言えばよいだろうか。さらに,これもバックフォーカスを長くとる必要がないので,後玉がかなりボディ内にのびている。いかに中判用とはいえ,開放値F6.3はあまりに暗い。ただ,マミヤプレスもいわゆるレンジファインダー式カメラとして使えるので,問題ないと言える。
 おそらく,設計に無理をする必要がないのであろう。その結果が,このすばらしい結果につながるのではないだろうか。これからしばらくは,このレンズをおもに使用していくことになるかもしれない。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 50mm F6.3, EPN

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