撮影日記


2022年09月21日(水) 天気:晴れ

Mamiya ZEのレンズをデジタルカメラで使おう

マミヤは,1940年に発売されたMamiya-six I型以来,6×9判のMamiya Press,6×7判のMamiya RB67や,デジタルカメラのMamiya ZDに至るまで,中判カメラの発売元としてよく知られた存在であった。だが,マミヤが発売したカメラは,中判カメラだけではなかった。35mm判一眼レフカメラも,多くの機種を発売した。モデルチェンジのたびにレンズマウント(カメラボディと交換レンズを接続する部分)の形状が変更されたせいか(2010年9月2日の日記を参照),ニコンやキヤノンの一眼レフカメラにくらべると,いまひとつ一般には知られていないようである。また,オートフォーカスの一眼レフカメラが一般的になる以前に35mm判一眼レフカメラの市場から撤退したことも,一般への知名度があがらなかったことにつながると考えられる。
 マミヤが発売した35mm判一眼レフカメラのさいごのシリーズは,1981年から発売されたMamiya ZEシリーズである。交換レンズには写りに魅力を感じるものがあるので,デジタルカメラでも利用したい。しかし,Mamiya ZEシリーズの交換レンズを使うようになっているデジタル一眼レフカメラは,どこからも発売されていない。

そういうときは,レンズ交換式のいわゆる「ミラーレス」カメラとマウントアダプタの組み合わせで使いたくなる。ところが,Mamiya ZEレンズを使うためのマウントアダプタは,あまり需要がないのか,なかなか見かけることはなかった。数少ないマウントアダプタの例として,Canon EOSシリーズで使うことができるFOTODIOX PRO ZE-EOSというものがあったが,これはテレコンバータが組み込まれたタイプのものなので,Mamiya ZEシリーズのレンズの描写をそのまま楽しめるというものではない(2016年6月22日の日記を参照)。
 市販のものがないのならば,ジャンクなカメラボディなどを利用して,マウントアダプタの自作を試みたい。しかし,Mamiya ZE用のレンズの場合は,一筋縄ではいかぬ。このシリーズのレンズマウントは「ミラクルマウント」と称しており,多数の電気接点が設けられてボディと交換レンズとのあいだでいろいろな情報をやり取りできるようなものになっているという特徴がある。
 そのほかミラクルマウントの特徴としては,交換レンズに設けられた絞りリングが,絞りを直接に制御するようになっていないことがある。交換レンズをはずした状態で絞りリングをいくら動かしても,絞りの状態にはまったく影響しない。絞りリングの位置の情報が機械的にボディに伝えられ,それに応じてボディ側から絞りを制御するという,妙に凝った仕様になっているのである。

つまり,絞りを制御するしくみがマウントアダプタには求められる。そこで,Canon FDレンズを使うためのマウントアダプタに,Mamiya ZEボディのレンズマウントを貼り付けて,SONY αNEXシリーズで使えるようにした(2018年12月23日の日記を参照)。ただし,それだけではレンズの位置をロックできないので,使いやすいものではない。

ふと思い立って,AliExpressでマウントアダプタを探してみたところ,以前は見つけられなかった,ZE-NEX(Mamiya ZEのレンズをSONY αNEXで使えるような)マウントアダプタを見つけたので,さっそく注文した。LAINA ADAPTER MAMIYA ZE-NEXという商品である。当初,配当予定時期が11月中旬と表示されたが,実際には注文から10日ほどでやってきた。

絞りの制御ができるし,きちんと固定もされるから,使う上でとくに問題はない。

SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor Zoom E 28-50mm F3.5-4.5

1970年代はまだ,広角域であるとされる28mmをカバーするズームレンズは少なかった(2007年5月2日の日記を参照)。また,一眼レフカメラにセットで販売されるレンズは,標準レンズとされる50mmレンズであることが一般的であった。Mamiya-sekor Zoom E 28-50mm F3.5-4.5は,一眼レフカメラとセットで発売された,はじめての28mmをカバーしたズームレンズであることは,もっと知られていてもいいと思う(2007年5月11日の日記を参照)。そういう面でも重要なレンズであるが,とくに広角側で描写がシャープに感じられることも,このレンズを使いたくなる大きな理由なのである。

SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor Zoom E 28-50mm F3.5-4.5

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