撮影日記


2022年03月29(火) 天気:晴

「大阪府工場名鑑」でさぐる「奥原写真機製作所」

「奥原写真機製作所」について,名前,住所,電話番号以外に,なにかわかることはないだろうか。
 国立国会図書館デジタルコレクションには,「大阪市工場一覧」という資料があり,1925(大正13)年,1927(昭和元)年,1930(昭和5)年,1933(昭和8)年,1938(昭和13)年という5つの版がインターネット公開されている。「インターネット公開」されているので,いつでも閲覧できるのは,ありがたい。しかし,ここからは「奥原写真機製作所」らしいものを見つけられなかった(2022年3月26日の日記を参照)。
 「大阪市工場一覧」あるいはそれに類する資料で,よりあたらしい版,より古い版がないものだろうかさぐってみると,「大阪府工場名鑑」という資料と「大阪府工場要覧」という資料が存在することがわかった。「大阪府工場名鑑」は,1958(昭和33)年,1961(昭和36)年,1965(昭和40)年の3つの版があり,「大阪府工場要覧」は,1962(昭和37)年,1966(昭和41)年の2つの版がある。しかしこれらは,「インターネット公開」されていない。「国立国会図書館/図書館送信限定」となっている。「インターネット公開」というのは,「著作権など権利状況に問題がないことが確認できたもの」である。「図書館送信資料」となっているものは,「著作権保護期間が満了していない資料」または「著作権の確認が完了していない資料」のうち,「絶版などの理由で入手困難な資料」というものである。これは,国立国会図書館の,図書館向けデジタル化資料送信サービスに参加している図書館で閲覧することができる(*1)。
 広島市立中央図書館(*2)で閲覧したところ,「大阪府工場名鑑(昭和40年)」に,住吉区我孫子東の「奥原写真機製作所」の掲載があった。掲載があったのは,「光学機械器具,レンズ製造業」というカテゴリである。そして,ほかのカテゴリを通しても,ほかに「オクハラ」という名前の工場は,存在しないようであった。「OKUHARA CAMERA MFG CO.,LTD. OSAKA JAPAN」のプレートがついた組立暗箱製品は,この「奥原写真機製作所」が製造したものと考えて,ほぼ間違いないと思われる。
 せっかく,自宅からでは閲覧できない資料を見られる状況なので,もっといろいろな資料もながめてみたかったが,平日の夕方に訪れたのでは時間がたりない。

*1 国立国会図書館デジタルコレクションについて 〜 公開範囲について (国立国会図書館)
https://dl.ndl.go.jp/ja/intro.html#idx2-1-1

*2 図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館一覧 (国立国会図書館)
https://dl.ndl.go.jp/ja/soshin_librarylist.html


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