撮影日記


2021年10月31日(日) 天気:晴

関式サロン露出計 丸型から角型へ

露出計算盤としてよく知られているものに,「関式サロン露出計」というものがある。昭和10年代から発売されているが,戦後にその形状が丸型から角型に大きく変化した(2021年10月21日の日記を参照)。その時期を絞り込むために,「アサヒカメラ」を追加で入手した。

「アサヒカメラ」1950年8月号における「関式サロン露出計」の広告

まず,「アサヒカメラ」1950年8月号である。玄光社の広告に記載されていた「関式サロン露出計」の写真は,丸型のものであった。

「アサヒカメラ」1951年5月号における「関式サロン露出計」の広告

つづいて,「アサヒカメラ」1951年5月号を入手した。玄光社の広告に記載されていた「関式サロン露出計」の写真は,角型のものになっていた。広告の内容に「素晴らしい新型」という文言はあるが,「新発売」のような表現は含まれていないので,すでに発売されてから何カ月かは経過していると考えられる。ともかく,「関式サロン露出計」が丸型から角型にモデルチェンジされた時期を,1950年8月から1951年4月の間に絞り込めたことになる。
 「アサヒカメラ」などの雑誌で確認できた「関式サロン露出計」とそれに関係するものの広告の状況をまとめると,次のようになる。

「関式サロン露出計」に関する雑誌広告
掲載誌種類備考
アサヒカメラ193905丸型 
アサヒカメラ194910丸型 
アサヒカメラ195008丸型 
アサヒカメラ195105角型 
アサヒカメラ195408角型「VA型新発売」
アサヒカメラ195811角型「SSSフィルムへの対応」
カメラ毎日196005セノガイド関研究所

また,いろいろと情報をご提供いただき,丸型の「関式サロン露出計」にも,少なくとも戦前型と戦後型の2種類があるらしいことがわかった。ここまでに確認できたことをまとめると,次のようになる。

「関式サロン露出計」の分類
種類サマータイム感光度表記閃 目盛備考
戦前の丸型非対応  所有者から情報提供
地域として南樺太から台湾をカバー
戦後の丸型対応  インターネットオークションサイトで目撃
地域として北海道から九州まで
角型1対応DINとASAなし入手
1950から1951年にかけての時期に発売?
角型2非対応ASAとDINなしインターネットオークションサイトで目撃
角型3非対応ASAとWESTONあり入手
1954年8月発売のVA型?

戦前の丸型について情報を提供してくださった方は,取扱説明書も入手されているとのことである。型番の記されたものもあるそうで,それと照合することで,かなり同定ができる可能性もある。いずれ,その機会をいただければ,幸いである。


← 前のページ もくじ 次のページ →