撮影日記


2021年10月12日(水) 天気:雨のち曇

原因は断線 まったく動かないカメラは復活する

ジャンク品のカメラに,入札した。動かない状態のようである。出品画像で見える範囲では電池ボックスの蓋の周辺に違和感があったので,電池が液漏れを起こし,その影響が出ているかもしれないことが予想できた。
 届いたカメラを観察すると,まず,電池ボックスの蓋が壊れていることがわかる。蓋には爪があり,これがボディのくぼみにかかって固定されるようになっている。そのボディ側のくぼみの部分が,折損している。また,電池ボックスの蓋の裏側にある,電気の接点がおかしい。小さな突起があって,電池のマイナス極ときちんと接するようになっているはずだが,どうもその部分が失われている。それにもかかわらず接点は一見きれいであり,おそらくはかなり磨かれたものと思われる。電池ボックスの奥の電気の接点も,とくに錆びているようには見えないが,どことなく磨かれたような跡がある。そして,電池ボックス内には必ずあるはずの,電池を装填する向きを示す目印が,どこにもない。
 これは間違いなく,このなかで電池が液漏れを起こし,電池ボックスおよびその周辺を腐蝕させた影響だろう。
 とりあえず電池を入れてみるが,カメラはまったく動作しない。腐蝕の影響が,内部の基盤にも及んでいる可能性が高い。その影響が甚大であると,修復は不可能だろうが,軽微であれば直せるかもしれないと期待して,カメラの軍艦部を開く。すると,電池ボックスからの接点の1つに,腐蝕の影響がでているのが見える。そこにつながるコードにふれると,簡単に切れてしまった。ここが激しく腐蝕しているようだ。しかし,目視するかぎりでは,そこ以外には大きなダメージは見あたらない。切れてしまったコードだけ,ハンダづけをやりなおす。

カメラを組み立てなおし,あらためて電池(単3型乾電池2本を使用)を装填する。シャッターレリーズボタンを押すと,シャッターが動作した。巻き上げて,レリーズを繰り返しても,動いている。つぎに,裏蓋を開いて,シャッターが実際に開いているかどうかを確認する。明るいほうへ向ければ絞りこまれ,暗いほうへ向ければ開放になりさらに露光時間もやや長くなる。精度はわからないが,いちおうプログラムAE機能は働いているようだ。
 残念ながら,フラッシュは発光しない。それ以前に,充電されるようすがない。フラッシュのコンデンサが,劣化してしまっているのだろう。フラッシュが使えないのは残念だが,せめて日中の撮影には使える状態であってほしい。期限切れフィルムでも装填して,できるだけ近いうちに,試し撮りをしてみよう。
 まったく動作しないカメラは,電源部に問題が生じている場合もある。そのようなときは,案外と簡単に復活するものである。


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