撮影日記


2021年07月09日(金) 天気:大雨

マミヤシックスIV型を動かす

昨日未明,7月8日の3時ころに広島市に発令された大雨警報は,今朝もまだ続いている。早朝のあいだは静かだったが,JRの在来線はずっと運転を見合わせている。そして,8時ころから急に大雨警報らしく暴風雨となった。広島に大きな被害をもたらした2018年の大雨も,ちょうど同じ時期,7月6日から7月7日にかけてのことだった。

FUJINAR 18cm F4.5(2021年7月4日の日記を参照)と同時に,マミヤシックスも入手した。

入手したモデルは,マミヤシックスIV型の後期モデルになる。

マミヤシックスには多くのモデルがあるが,大きくは3つのグループに分類できると考えられる。
 1つは,第二次世界大戦前から戦後にかけてのモデルである。ここでは,前期グループとよぶことにする。正面から見たときに,丸い窓が2つと,四角い窓が1つあるものが,前期グループに該当する。
 つぎは,昭和20年代後半に発売されたモデルである。ここでは,中期グループとよぶことにする。正面から見たときに,丸い窓が1つと,四角い窓が1つあるものが,中期グループに該当する。
 さいごは,昭和30年代前半に発売されたモデルである。ここでは,後期グループとよぶことにする。正面から見たときに,四角い窓が2つあるものが,後期グループに該当する。

このマミヤシックスは,正面から見た姿から,中期グループに含まれるものである。そして,6×6判専用になっていることから,マミヤシックスIV型となる。さらに,「カメラレビュー クラシックカメラ専科36 マミヤのすべて」(朝日ソノラマ)の記述によれば,フロントスタンダード(トリイ)の形状から,マミヤシックスIV型の後期モデルとなる。すでにマミヤシックスは,2つのモデルを入手している。いずれも中期グループに含まれるもので,6×6判と6×4.5判の兼用になっている,マミヤシックスK型とマミヤシックスV型である。だから,正面からぱっと見たときの姿は,どれも同じようなものに見える。

このマミヤシックスIV型は,ずいぶんと安価に入手できた。安価なのには理由があって,まず見てすぐにわかるように,貼り革が失われた部分がある。そして,見ただけではわからない点として,ピント調整が固着して動かなくなっているという問題がある。
 マミヤシックスのピント調整は,よく知られているように,レンズが動くのではなく,フィルムが前後に動くことでおこなわれる「バックフォーカス」とよばれるしくみになっている。そのため,蛇腹を使ったいわゆるスプリングカメラでありながら,精密に距離計と連動するようになっていることが特徴である。ピントの調整は,カメラを構えたときに自然と右手の親指があたる位置にあるノブを回しておこなう。これが,うんともすんとも動かない。

カメラにひどい歪みなどが生じているようには見えないので,たとえば油が固まったなど,なんらかの事情で可動部が固まっているだけだと予想する。バックフォーカス部は,ばねで引っ掛けているだけなので,簡単にはずすことができる。これをはずすと,内部に汚れがこびりついていることがわかった。それを拭いて元通りに組みなおせば,ピント調整がスムースに動くようになった。シャッターやレンズには重大なトラブルが生じていないようなので,いちおう撮影が可能な状態に復活したといえる。


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