撮影日記


2021年03月13日(土) 天気:曇ときどき晴

スイセンを水洗することを推薦する

背の低い花を撮りたいときは,低い位置でカメラを固定することがたいせつとなる。そして,そのような低い位置に置いたカメラのファインダーを,楽に見ることができる必要がある。低い位置にカメラを置いた撮影を楽にするアイテムとして,ウエストレベルファインダーというものがある。ウエストレベルの「ウエスト」は腰の意味で,本来はカメラを腰(というか,おなかあたり)にもって,うつむくように上から覗くようにして使う。ともかく,上からファインダーを覗くことができるので,カメラを低い位置に置いたときにでも,ファインダーを覗きやすいというメリットがある。

Nikon F3とウエストレベルファインダー

しかし,ウエストレベルファインダーの使えるデジタル一眼レフカメラの例は,ごく少ない。たとえば,市販されたさいしょのデジタル一眼レフとされる,Kodak Professional DCS (Kodak DCS 100,1991年) は,Nikon F3のボディを利用しているので,おそらくウエストレベルファインダーを利用しての撮影も可能であろう。1999年に発売されたKodak DCS 620/660や2001年に発売されたKodak DCS 720/760は,Nikon F5のボディを利用しており,ウエストレベルファインダーの利用も可能になっているようである。そのほかには,中判一眼レフカメラ用のデジタルバックを利用したものくらいが,ウエストレベルファインダーを利用できるデジタル一眼レフカメラとなる。
 そのような状況に変化を与えてくれたのは,いわゆるミラーレスカメラである。液晶モニタの角度を変えられるタイプのカメラであれば,ウエストレベルファインダーを使うときのように,カメラを低い位置に置いてファインダーを上から覗きこむような撮影が可能となる。いわゆるミラーレスカメラでなくとも,レンズ部を回転できるようなタイプのコンパクトデジタルカメラは,比較的早い時期から存在していた。デジタルカメラとしてはウエストレベルファインダー的な撮影と相性がよいはずなのに,なぜかデジタル一眼レフカメラは,ウエストレベルファインダー的な撮影と相性がよくなかったのである。

FUJIFILM X-T10, TAMRON SP 90mm F2.5

黄色いスイセンが,開花しはじめた。この草丈は20cmくらいで,かなり低い。いわゆるミラーレスカメラで,液晶モニタを上に向けてねらうようにすれば,無理のない姿勢で撮影ができる。拡大表示にすれば,液晶モニタからじゅうぶんに目を離しても,細かいピントあわせに不便を感じない。望遠レンズを使ってカメラを花から離しておけば,花に水をかけるような撮影にも,支障はない。
 この背の低いスイセンが密生しているところで,花にじゅうぶんにカメラを近づけて撮影する場合でも,液晶モニタをファインダーとして使えば,構図を決めたりピントを調整したりすることが,楽にできる。

FUJIFILM X-T10, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

スイセンには,やはり水がよく似合うと思う。しかし,その姿を映せるような池を用意することは,いまのわたしには無理がある。

FUJIFILM X-T10, Ai Micro-NIKKOR 200mm F4

寄れる広角レンズで下から見上げて撮る場合ですら,無理に寝っ転がる必要など,まったくない。ウエストレベルファインダーを使えないような一眼レフカメラでは,このような角度での撮影は難しい。

FUJIFILM X-T10, 7artisans 25mm F1.8

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