撮影日記


2020年12月31日(木) 天気:曇のち晴

2020年に入手したカメラ

夕方のニュースで,東京都で確認されたCOVID-19の感染者数が,1日に1000人をこえたことが報じられていた。大晦日の夜から元日の朝にかけては,各地で初詣や初日の出のための臨時列車の運転が予定されていたが,それらがことごとく中止されることも,あわせて報じられていた。まだしばらくは,この状況はおさまりそうにない。
 今日は,広島市でも大雪になることが予報されていた。昨日の午後は,一時的に雪が激しく降ったときもあったが,平地ではほとんど積もることはなく,午後にはすっかり道路も乾いていた。ただ,今夜から明日の朝にかけて,ふたたび雪が降ることが予報されている。初日の出を拝むことは,できるだろうか。
 例年のように,1年のさいごとして,今年のあいだに入手したおもなカメラについて,ふりかえってみよう。

1月から3月まではカメラもレンズもなにもあらたに入手することはなかったが,4月になって今年はじめてのレンズとなるTAMRON ZOOM 95-205mm F6.3を入手し(2020年12月21日の日記を参照),つづいてカメラも入手した。入手したカメラは,ジャンク扱いのニコンの一眼レフカメラが40台以上含まれたセットである。そこに含まれていたNikon F4S用のバッテリーパックMB-21を入手することが目的であり,ほかのカメラボディにはとくに期待していなかったが,そこに予期せぬものが含まれていた。

Nikon F-601である。しかし,ふつうのNikon F-601とは異なる点がある。それは,ホットシューにフラッシュを固定するためのネジ穴が設けられている点である。機能上の相違点はこれだけであるが,それまでのNikon F-601はMade in Japanであったのに対して,このバージョンではMade in Thailandになっている。シリアル番号もずっと大きいものになっているので,これをF-601後期型とよぶことにしている(2020年4月24日の日記を参照)。地味な存在ではあるが,このバージョンは意外と見かけないもので,ようやく入手することができたのであった。

わたしは以前から,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」に掲載されたカメラを,ひととおり体験したいと考えている。しかし,それらすべてを入手することは容易ではない。せめて,各メーカーの各シリーズから1機種くらいはカバーしたい。せめて,すべてのレンズマウントを体験したい,と思う。
 こういうときに面倒な存在が,マミヤの35mm判一眼レフカメラである。よく知られているように,マミヤはなんどもレンズマウントを変更している(2010年9月2日の日記を参照)。採用したマウントのなかには,独自規格で長く続かなかったものもある。けっして高値がつけられていることはないものの,ややレアな存在になっているため,なかなか出会えない機種もある。

そのようなマミヤの35mm判一眼レフカメラのうち,いちばんはじめに発売されたMamiya Prismat NPは,Exaktaと互換性をもつレンズマウントを採用していた。見かける機会の少ないカメラであるが,twitterでいつもお世話になっている人が保護され,譲っていただくことができたものである(2020年10月15日の日記を参照)。

6月から9月にかけては,大判カメラとされるものを,いろいろ入手できた。
 はじめは,テールボードカメラとよばれるタイプのものである(2020年6月17日の日記を参照)。カメラというものの初期から見られるスタイルのカメラなので,とても古いものである可能性がある。一方で,そういうカメラを模倣して,ずっと後になってからつくられたものである可能性もある。カメラには,銘板などその製造元や製造時期を絞りこめそうな手がかりがまったくないので,古くからあるタイプのカメラである,としかいうことができない。

このテールボードカメラにかぎらず,古い組立暗箱には,発売元や製造者のことがよくわからないものが少なくない。無銘のものはもちろん,なんらかの銘板があっても一般向けのカメラ雑誌等に広告が掲載されているわけでもないと,手がかりにならないものである。入手したカメラでは,VICTORYカメラ(2020年6月20日の日記を参照)やArt FIELD CAMERA (2020年6月22日の日記を参照)などが該当する。

金属製組立暗箱(フィールドタイプのテクニカルカメラというよびかたもある)であるRittreck Viewのように,現在まで存続している組織によって発売されたものでもなければ,なかなか正体が判明しないのが,組立暗箱である。このRittreck Viewも,2020年に入手したカメラの1つである(2020年7月4日の日記を参照)。
 テールボードカメラや組立暗箱のほかに,一眼レフタイプの大判カメラも入手した。

イギリスのブッチャー社から発売された,POPULAR PRESSMANという(2020年8月29日の日記を参照)。銘板があり,そのカメラが雑誌等でとりあげられたりしていれば,簡単ではあるがそれなりに発売元や発売時期など正体の一部が見えてくるものである。

デジタルカメラも,いろいろと入手した。そのうちで個人的に大きな存在だといえるものは,Kodak DCS 200である(2020年10月14日の日記を参照)。このたび入手した,Kodak DCS 200cというバージョンは記録メディアとしてHDDが内蔵されたタイプであり,これは市販された一眼レフ型のデジタルカメラとしてはじめて,カメラ,デジタル回路,バッテリー,記録メディアなどが一体化されたものとされている。デジタルカメラの歴史上,重要なモデルであるとみなすことができる。

HDDが内蔵されていることが重要な要素であるが,HDDというものはどうしても故障する。入手したこのカメラもHDDが故障しており,撮影ができない状態である。HDDを交換すれば撮影できるようになりそうであるが,古い規格のHDDであることもあり,適切なものをまだ見つけていない。

2020年に入手したものは,古いカメラだけではない。比較的あたらしいものとして,FUJIFILM X-T10といういわゆるミラーレスカメラも入手した。このシステムは,今後,わたしにとっておもに使っていくことになるかもしれない候補の1つである。

このほかにも,以前から気になっていたカメラをいろいろと入手できた。

市場で126カートリッジフィルムをほとんど見かけなくなった時期に,突如,126フィルムを買い求める人が立て続けにあらわれたことがあった。その原因となったものが,Hi-POSE 126カメラである(2020年8月3日の日記を参照)。雑誌の年間購読予約特典として一定の量が市場に供給されたものであるが,その時期は1980年くらいだったというくらいでよく覚えていなかった。このたび,このカメラを譲っていただくことができ,その時期を確認できたものである。

CASIO VS-101も,初期のスチルビデオカメラとして,入手したいと思ってたカメラの1つである(2020年11月5日の日記を参照)。残念ながら故障しているが,取扱説明書もあり操作方法などを確認することはできた。

今年もフィルムや現像料などの値上げがつづき,いよいよ中判カメラの運用にはコスト的に厳しいものを感じるようになってきた。そろそろ,いわゆる中判デジタルカメラの存在も気になってくる。実際に入手できるのは,いつになるだろうか。なお,いまのところ,どうしても必要であるわけではない。




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