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2019年07月23日(火) 天気:雨のち曇CASIO QV-10Aの試し撮りCASIO QV-10は,撮影した画像をすぐに見ることができる液晶モニタを内蔵して発売された,はじめてのデジタルカメラである。これは,デジタルカメラが一般の人にも認知されるきっかけとなった。翌年には,マイナーチェンジされた,CASIO QV-10Aが発売された。 ![]() 当時,報道や印刷の業務用に,すでにデジタルカメラは使われていた。ただし,数100万円単位の製品であり,一般の人が趣味の撮影に使うような性格のものではなかった。それに対してCASIO QV-10の販売価格は数万円単位のものであり,一般の人にでも容易に手が出せるものである。ただ,業務用とされるデジタルカメラとの性能の差は,とても大きなものであった。実際にCASIO QV-10Aで撮影し,その差をあらためて確認したい。 ![]() CASIO QV-10A本体と,フロッピーディスクユニットCASIO FD-10とを,専用のコードで接続する。FD-10に初期化したフロッピーディスクをセットし,QV-10Aの電源をONにして「PLAY」モードにする。「全ページ保存」ボタンを押して,つづいて「OK」を押せば,カメラからフロッピーディスクにデータが転送される。 ![]() この転送は,決して速いものではない。 ![]() CASIO QV-10Aで撮影した画像データを保存したフロッピーディスクを,パーソナルコンピュータで読み取る。画像データは,独自の拡張子.camのついたファイルとして保存される。 ![]() CASIO QV-10Aは,320ピクセル×240ピクセルの大きさで,画像を記録する。CAMomile 32ではそれを480ピクセル×360ピクセルのJPEG画像に変換することもできるが,ここで画像を引き伸ばしてもアラが目立つだけである。320ピクセル×240ピクセルの大きさで出力するのがよい。また,JPEG形式にするときの圧縮率も変更できる。ここは圧縮率を最低の1(つまり,最高画質)にする。320ピクセル×240ピクセルのJPEG形式の画像など,最高画質にしたところでデータがそんなに大きくなるものではない。 ![]() CASIO QV-10AJPEG形式にするときの圧縮率を最低にしていても,文字はほとんど判読できない。何と書いてあるかわかっていれば,なんとなく読めそうではあるが。 ![]() CASIO QV-10ACASIO QV-10Aは固定焦点式になっており,ピント調整の機能はない。ただし,マクロモードが用意されているが,被写体に20cm程度まで近づいたときに使うもので,通常は0.6mから先のものにピントがあうようになっている。 ![]() CASIO QV-10ACASIO QV-10Aには,フラッシュが内蔵されていない。それでも暗いところのものが,なんとか写ってくれた。 ![]() CASIO QV-10A結論として,CASIO QV-10Aは,いまとなっては使いものになるとはいいがたいデジタルカメラである。当時は画期的な製品だったとは思うものの,現在の基準で考えれば正直なところ評価できるような画像ではない。それでも,このカメラがデジタルカメラというものを広く知らしめた功績は,けっして忘れてはならない。ときどきは実際に撮影し,きちんと記憶にとどめておくようにしたいものだ。
*1 CAMomile32(for Windows) CASIO QVシリーズのCAMファイルをTIFF,JPEG等のファイルに変換 (Vector) |
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