撮影日記


2019年06月27日(木) 天気:雨のち曇

Kodak DCS 420復活

また,いらぬものを落札してしまった。来月は,インターネットオークションを見ないことにしようと思う。

やってきたものは,手前側のKodak DCS 420である。厳密にいえば,手前側の下部,Kodak DCS 420のデジタル部と,奥側の上部,Nikon N90sの部分である。動作が確認できているものを適宜組み替えて,動作確認をしたのである。
 今回の落札品の状態は,けっしてよいものではなかった。まず,なによりも,古い製品であることを忘れてはいけない。そして,おもに業務用として酷使されてきたはずである。このカメラの最大の問題点は,バッテリーが内蔵されていることである。「長期間使わないときは電池を抜いておく」ことが,電気製品を使うときの1つの常識であるが,内蔵されているバッテリーをはずすには,ネジをはずして軽く分解する必要がある。そのため,使わなくなって長期間放置していると,どうしても内蔵のバッテリーが腐蝕してしまう。このカメラも内蔵のバッテリーから青い塩が大量にふきだしており,基盤にもかなり付着していた。幸いにも,導通部の腐食はしていなかったようである。また,カメラ側の電池ホルダが折損して接触しなくなっていた。明確な故障箇所はそこだけで,以前,Kodak DCS 460を復活させたときと同じ方法(2016年1月21日の日記を参照)でバッテリーをつくりなおせば,Kodak DCS 420は無事に起動した。

じゅうぶんに充電してパソコンとSCSI接続する(2019年4月9日の日記を参照)。ファームウェアを更新し,時計を設定すれば,Kodak DCS 420の復活である。

Kodak DCS 420は,Kodak DCS 460と同じ1994年に発売されている。ただし,私のところにあるKodak DCS 420とKodak DCS 460はどちらも,右下のロゴが「DCS」ではなく「ds digital science」であり,セットされていたカメラボディがNikon N90ではなくNikon N90sであることから,1995年くらい以降に出荷された後期型に該当すると判断している。
 基本的にどちらも,Nikon F90のボディに,デジタルバックを組み合わせたものである。両者のもっとも大きな違いは,撮像素子の大きさである。Kodak DCS 460の撮像素子が27.6mm×18.4mmの大きさで600万画素(3060×2036 pixels)であるのに対し,Kodak DCS 420の撮像素子は13.8mm×9.2mmの大きさで150万画素(1524×1012 pixels)である。

実際に写る範囲はKodak DCS 460の1/4であり,ライカ判よりもずっと狭いものになる。たとえば50mmレンズを装着しても,写る範囲は130mmレンズに相当するものになる。これは,接写には有利かもしれない。

Kodak DCS 420, Ai NIKKOR 50mm F1.4

今後,「DCS 460 vs DCS 420 1994年の600万画素機と150万画素機の勝負!」や,「DCS 420 vs DS-505A KodakとFUJIの業務用150万画素機どうしの勝負!」などのネタをつくることができそうだ。実際にできるのは,いつになるかわからないけど。


← 前のページ もくじ 次のページ →