撮影日記


2019年06月16日(日) 天気:雨

FUJI FinePix S1 Proは とってもNikon F60

先日,インターネットオークションでFUJI FinePix S1 Proを落札できた。それに入札していたとき,さらに低価格の開始値が設定されたFUJI FinePix S1 Proの出品が別にあった。こちらにも入札しておいたところ,結果として,2台とも落札してしまったのである。

2台目のFUJI FinePix S1 Proも,動作未確認のジャンク扱いのものである。ところが,動作未確認と言いながら,カメラにはきれいな電池が装填されていた。FUJI FinePix S1 Proには,2種類の電池が必要である。おもにカメラ部分を動作させるためのCR123A型リチウム電池が2本と,おもにデジタル処理部分を動作させるための単3乾電池が4本である。
 どちらにも,きれいな電池がはいっているので,さっそく電源スイッチをONにした。上面の液晶ディスプレイのバッテリインジケーターは,電池容量がじゅうぶんであることを示している。しかしその隣には,以前にも見たことのある「Err」の表示がある(2019年6月6日の日記を参照)。さて,このカメラもメモリカード関係のトラブルであろうか。メモリカードをいろいろ入れかえてみるが,「Err」である。どうにもこうにもエラーが解消されなかったのだが,ようやく原因が判明した。デジタル処理部の単3乾電池のほうに元気が足りないと,「Err」になるのである。それでもカメラ部のCR123Aのほうが元気だと,バッテリインジケータは「満」を示すので,そのこと気がつかないのである。
 結局,動作するFUJI FinePix S1 Proが2台になった。しかし2台目のほうは,単3乾電池ボックスの蓋に,トラブルがある。出品物の画像では,この部分が写されていなかった。また,電池を入れておきながら「動作未確認」としていたことには,「動作不良」と判断したことを伏せていたのではないだろうか。ちょとだけ出品者に不信感を感じるようになったが,カメラが動作したことで,わきあがりかけた不信感は,きれいさっぱりどこかへ消えてしまった。

ところで,FUJI FinePix S1 Proが2台あっても,どのように使い分けようか迷う。このカメラは,いかにもNikon F60を改造したようなカメラなので,もしかするとなんらかの改造など考えらえるのではないだろうか。とりあえず,なかのようすを見ることにした。
 見えるネジをどんどんはずしていくと,裏ブタを開くように,カメラは前後2つにわかれる。このとき,前面のゴムカバーをはずして,接続端子の間にある1つのネジをはずすことを忘れてはいけない。

みごとなまでに,Nikon F60の痕跡が残っている。いや,Nikon F60そのものである。
 本来,フィルムが位置するところに,撮像素子が固定されている。撮像素子のユニットをはずせば,フィルムガイドレールがそのままある。そこにネジ穴を設けて,撮像素子のユニットを固定している状態だ。
 それどころか,右側にはフィルムを巻き取る軸があり,フィルムを送るスプロケットも存在する。左側にはフィルムのパトローネが入る空間がそのままあり,パトローネのDXコードを読み取る接点すら存在する。シャッターレリーズボタンを押したあとに,モーターのような音が聞こえるのは,けっして幻聴ではない。
 これらは,赤瀬川源平氏らが名づけた「超芸術トマソン」のような存在だ。
 すると気になるのは,FUJI FinePix S2 ProやKodak DCS Pro 14nのなかみがどうなっているか,である。これらの機種も2台ずつ確保しているが,これからも私の主力カメラの1つとして使っていきたいカメラである。少なくとも正常に動作しているうちは,無用な分解をしたくない。


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