撮影日記


2019年05月24日(金) 天気:晴

ミイラ取りがミイラになった

少し前のこと。twitterである人が,京セラの270AFというオートフォーカス一眼レフカメラの画像を,公開した。ハードオフで,非常に安価に売られていたという。そして,このカメラのマウントはなにか?と,いう質問をしていた。
 そのような質問が出ると,すぐに複数の人から的確な回答が寄せられる。そして,質問した人は,それが独自のマウントをもつシステムであることを理解した。
 これは,twitterというツールがもつ,よい面の1つであると言える。

KYOCERAのオートフォーカス一眼レフカメラには,CONTAX銘の一眼レフカメラ用のCarl Zeiss銘をもつレンズを使うための,専用のマウントアダプタが用意されていた。
 「AFコンバータ 1.6x」というテレコンバータで,これをボディとレンズとの間に装着すると,テレコンバータ内のレンズが動くことでピントをあわせ,マニュアルフォーカスのレンズでもオートフォーカス撮影ができるようになるものである。Carl Zeiss銘のレンズを使えるというだけではなく,オートフォーカス撮影もできるようになる,というものだ。

なんとも間がよいことに,インターネットオークションに「AFコンバータ 1.6x」が出品されていた。しかも,2点も出品されている。私は,「AFコンバータ 1.6x」が実際に中古カメラ店の店頭で売られているのを見たことが,ほとんどない。あっても,けっこう強気な価格がつけられていた,という印象だ。それに対してインターネットオークションでつけられていた価格は,比較的穏やかなものである。
 これは,「買い」だ!
 逃すのは,惜しい。
 だが私は,つい先日,Nikon D1を購入したばかりである(2019年5月14日の日記を参照)。いまは,出費をしたくない。
 だから,安価なKYOCERA 270AFを見つけた人が「AFコンバータ 1.6x」を買いたくなるように,いろいろとその魅力を語るのである。それは,私ひとりではない。twitter上でいつもやりとりしている人たちが,つぎつぎに集まっては,背中を押そうとするのである。
 これは,twitterというツールがもつ,恐ろしい面の1つであると言える。

しかし,多くの人の努力にもかかわらず,その人は「AFコンバータ 1.6x」のみならず,KYOCERA 270AFも買わなかったようだ。

そして,数日前。インターネットオークションに,京セラのオートフォーカス一眼レフカメラ用の交換レンズが,数多く出品されていた。そのなかには,「AFコンバータ」も含まれていた。しかも,じつに弱気な価格がつけられている。

入札したところ,期待していたよりも安価で落札できた。

動作にも,問題はなさそうである。

京セラのオートフォーカス一眼レフカメラは,あまり話題になったようには思えない。だから,たくさん売れたとは思えない。そのせいか,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」などを参照しても,用意されている交換レンズの種類は,それほど多くない。しかし,「AFコンバータ 1.6x」を併用すれば,Carl Zeiss銘のレンズ,同じマウントのYASHICA MLレンズや,シグマやタムロンのレンズも使えるようになる。使えるレンズの幅が,ぐぐっと広がるのだ。
 少し残念なこととして,私はCarl Zeiss銘のレンズは,以前からずっと興味のあった1本,Tessar T* 45mm F2.8しかもっていない(2006年3月9日の日記を参照)。

それにしても,他人に買わせようと必死に魅力を語った商品を,結局,自分自身が買うことになってしまったというのは,我がことながら,なんともおもしろい。


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