撮影日記


2019年04月05日(金) 天気:曇ときどき晴

「シノゴの日」だけど「四つ切1/2」を使う

2010年,私は勝手に4月5日を「シノゴの日」であると提唱した。以後,毎年4月5日にはできるだけ,4×5判での撮影をするように努力している。フィルムで撮影する機会が減ったと感じている人は,ぜひこのような日を利用して,無理にでもフィルムで撮影をするように努めていただきたい。
 こういうことを言いながら,今年の私は4×5判での撮影をしなかった。
 そのかわりと,6×10判(四つ切1/2判)での撮影をすることにした。

これは4×5判よりも大きなフォーマットだから,「大判写真を撮ろう」という「シノゴの日」の趣旨には合致する。しかし,フィルムではなく印画紙で撮影をするので,「フィルムで撮影をする」という条件を厳密には満たさない。
 今日,4×5判ではなく6×10判での撮影に挑んだのには,もちろん理由がある。
 昨秋に貸していただいたレンズを,もっと活用しておくためだ。
 貸していただいているレンズは,FUJINON W 180m F5.6とFUJINON SW 120mm F8の2本である(2018年10月21日の日記を参照)。どちらも,6×10判で使うと,かなりの広角レンズとして使える。「楠木の大雁木」のサクラを間近で撮るには,このような超広角レンズが望ましいと考えている。

Okuhara camera, FUJINON SW 120mm F8, FUJIBRO WP FM2

まずは,FUJINON SW 120mm F8を使う。カメラに対して極端に焦点距離が短いので,ふつうに蛇腹を目いっぱい縮めても,ピントは至近距離にしかあわせられない。フロントスタンドを手前に倒し,無理やりに接近させなければならない。ただし超広角レンズとして使うことになるし,基本的に絞り込むので,ピントはなんとかあってくれる。
 今日は,風が強い。しかも,大きな川沿いであるから,さえぎるものもなく強く吹く。冠布も吹き上げられ,ピントや構図の調整が思うようにいかない状況だ。
 ただ,期待通りに,川沿いに立つサクラを撮ることができた。

Okuhara camera, FUJINON W 180mm F5.6, FUJIBRO WP FM2

露出を変えて2枚撮ったら,つぎは同じ場所で,レンズを交換する。180mmレンズだとサクラの先端までは写しこめないが,木の姿はじゅうぶんによくわかる。フロントスタンドを通常の位置にしていてもピントがあうので,120mmレンズよりも扱いやすいはずなのだが,川の上を吹いてくる風はさらに強くなり,落ち着いて構図を整えることが難しい。これを,意図せずして画面が傾いてしまった言い訳としておく。

Okuhara camera, FUJINON W 180mm F5.6, FUJIBRO WP FM2

さらに場所を変えて,別のサクラを撮る。ここでは多少はさえぎるものがあるが,それでも風は強い。短いお昼休みの間には,3箇所で2枚ずつ,計6枚を撮るのがせいいっぱいだが,6×10判のフィルムホルダを3枚しか入手できていないので,ちょうどよいといえばちょうどよいペースである。


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