撮影日記


2019年01月02日(水) 天気:晴

ダイヤル市外通話

今日も,マミヤZE用のズームレンズMamiya-sekor E Zoom 28-50mm F3.5-4.5を,デジタルカメラで楽しむことにする。

SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor E Zoom 28-50mm F3.5-4.5

昨夜は,雨が激しい音をたてていた。今朝は一転してよく晴れている。朝の光がアスファルトに,数字の「7」を描いている。板塀の隙間をとおる光の位置は,まだ低い。板塀のほうにカメラを向けると,レンズに直接,光があたるような状態になる。
 このレンズを極端な逆光条件で使うときには,注意が必要であることが判明した。

SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor E Zoom 28-50mm F3.5-4.5

いつものように細い道を歩き,いつものように「はりみち」の道標を撮る。2012年ころにはまだ,この家は,「たばこ店」として機能していた(2012年8月12日の日記を参照)。いまは,ふつうの民家の姿になっている。

SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor E Zoom 28-50mm F3.5-4.5

周囲にはほかにも,お店の痕跡を残した家が多々ある。それも,気がつくといつのまにか,1つまた1つと減っている。ただ,「はりみち」と「でんしゃのりば」を示す道標はかわらず,そこに残っている。

SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor E Zoom 28-50mm F3.5-4.5

「はりみち」は,1000年以上続くとされる鍼灸院への道を示す。その鍼灸院はまだ存在するが,「でんしゃのりば」が示す路線は1980年に廃止になっている。平行してあらたに地下鉄が開業しているが,あたらしい駅はかつての停留所と停留所のあいだに設けられたので,「でんしゃのりば」が示すほうへ歩いても,そこに電車乗り場はない。

「でんしゃのりば」のほうへ向かわずに,入り組んだ道を西のほうへ進む。

SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor E Zoom 28-50mm F3.5-4.5

このお店は,いまでも営業しているのだろうか(2012年8月12日の日記を参照)。
 店頭に貼り紙があり,そこには,「店内で たばこ 販売しています」と書かれている。この貼り紙はあたらしいものに見えるので,このお店はまだ営業をしているのだろう。お正月休みが明けたら,このお店もまた開くに違いない。
 横を見ると,色あせてほとんど文字が読めなくなっているものの,「たばこ 自動販売機 24時間営業」という看板が残っている。ただしいまは,建物の外に,たばこの自動販売機は設置されていない。
 それと並んで,「でんわ でんぽう」の看板も残っている。

SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor E Zoom 28-50mm F3.5-4.5

現在では,相手の電話番号を入力するだけでどこにでも電話をかけられるのがあたりまえだが,当初は市外通話などはダイヤルを回すだけでは通じなかった。ダイヤルを回すだけで市外の電話にもかけられるようになっていることを,「ダイヤル市外通話」という文字がアピールしている。ダイヤル市外通話を強くアピールする必要があったのは,昭和40年代のことと思われる。だから,そのころに設けられた看板なのだろう。

古い町には,古いものの痕跡が残っている。それは,風景として溶け込み,当然のようにそこに存在する。しかし,気がつくと撤去されたり更新されたりして,姿を消す。身近なところにあるものほど,気をつけて見ておかなければ,その動向を見落としてしまいかねないものである。


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