撮影日記


2018年07月16日(月) 天気:晴

暑さに負けず「四つ切1/2」を撮ろう

富士フイルムがモノクロフィルムおよびモノクロ印画紙の発売を終了することを発表したことにより,RCタイプの号数印画紙は今後,入手できなくなる可能性が生じてきた(2018年4月4日の日記を参照)。そこで,まだ手元にすこし残っているが,フジブロWP FM2の四切を1つだけ購入した。
 この印画紙は,引き伸ばしてプリントに使うのではなく,フィルムの代用として大判写真の撮影に使う。
 しばらく晴れた日が続きそうなので,この機会にいろいろな場所を撮ろうと考えた。

比較的身近な場所に,気になる木がある。
 住宅街の間を通る緑道にある,ばっさりと伐採された木だ(2016年10月10日の日記を参照)。

Kodak DCS Pro 14n, Amusement Lens Fisheye-type 20mm F8

緑道の幅は広いものではなく,左右には住宅が建ち並んでいる。それにもかかわらず,この木を中心に眺めると,空が広く見える不思議な空間であると感じている。ここを,「四つ切1/2」という大きなフォーマットで撮ってみようと考えた。

Okuhara camera, FUJINON W 210mm F5.6, FUJIBRO FM2

ISO 1.5相当で露光し,1:1に希釈したミクロファインで約2分間の現像をおこなう。ところが,現像のムラが生じてしまったようだ。

ともあれ,このように横位置で,木の上部が見えないように撮ると,狙っていた空の広さが感じられない。
 しかし,このように撮らざるを得なかった。
 まず,このカメラでは縦位置撮影が困難である。
 組立暗箱のバックアダプタは,縦にも横にもはめることができる。だから,縦位置でも横位置でも,簡単に切り替えて撮影できるものなのだが,いま使いたいのは「四つ切1/2」というサイズだ。取りつけるバックアダプタの横幅は,カメラよりもずいぶんと広いものになっている。そして,厚みがあるため,レンズボードをずいぶんと手前に下げなければ,ピントがあわない。するとベースボードが手前に突き出てくるので,バックアダプタを縦位置にはめることができなくなる。
 また,横位置のままで木を見上げるようにすると,当然ながら両側にある住宅が上すぼまりになる。シフトアオリで補正しようとしても,この組立暗箱はそこまで大幅なアオリに対応していない。

結果として,なんとも中途半端な構図になってしまったのである。
 日ざしがあたるようになると,まだ朝だといっても,きわめて暑い。首や腕など素肌を出すと,日ざしが痛い。カバーやストールで覆うと,蒸し暑い。いずれにしても,長時間の撮影は厳しい状況である。

それでも暗室内で,大きな画像がじわっと浮き出てくるのを眺めるのは,楽しいものがある。連日の暑さで暗室内がきわめて蒸し暑くなっており,じっくり落ち着いて作業を続けられないのが少々残念ではあるが。


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