撮影日記


2018年04月05日(木) 天気:晴れ

ファンタジーカードでチューリップを撮る

ミノルタαシステムのファンの方や,製造や販売等にかかわってこられた方には,たいへん申し訳ない。私はこれまで,ミノルタのαシステムにあまり深い関心をもっていなかった。
 そんな私の関心を向けさせてくれたものが,「ファンタジーカード」である(2018年3月18日の日記を参照)。ミノルタαの「i」シリーズのカメラに機能を付加する「インテリジェントカードシステム」の1つである(対応しないモデルもある)。
 このようなシステムが存在することは,以前から知っていた。インテリジェントカードに対応するボディも,以前から入手できていた。しかし,あえてインテリジェントカードを入手しようと考えることはなかった。用意されているカードのうち「フォトテクニックカード」は,いわゆるシーンプログラムAEである。まったくの初心者が使うには,よい参考になると思うが,ある程度慣れている者にとっては,カメラ任せで撮るより自分で絞り等を選択して撮るほうがわかりやすいだろう。「スペックアップカード」にしても,「ブラケット」機能を使うことはないし,他社が発売する機種では,そのうち標準的に用意されるようになる機能だ。「多重露出」はよく使うが,以前から使っているニコンのカメラでは,Nikon FMなどで古くから用意されている機能である。「インターバル」はおもしろい機能で,使ってみたいと考えていたから,Nikon F-801はオプションのマルチコントロールバック付きで入手した。
 つまり,あえて入手する必要はないオプション品を,苦労して入手する必要がなかったのである。

しかし,お手軽に入手できるチャンスにめぐりあえば,話は異なる。大阪の八百富写真機店にあった「インテリジェントカード」のうち,すでに入手しているカメラにない機能として「ファンタジー」を選んで購入した(2018年3月13日の日記を参照)。長時間露光をしながら,自動的にピントをずらすことで,ソフト効果や露光中ズーミング効果を与えるという。多重露出機能を使えばできる撮り方であるが,それを自動的にカメラがおこなってくれるというわけだ。

Nikon FM, Ai Micro-NIKKOR 200mm F4, EBX
ピントをあわせた状態とぼかした状態で二重露光した(2014年7月24日の日記を参照)。

 

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
長時間露光中にズームリングを操作した(2015年11月6日の日記を参照)。

インテリジェントカードの「ファンタジー」による動作は,ほかに入手しているカメラには用意されていないものである。「ファンタジー」での撮影をしたいならば,ミノルタαのインテリジェント対応機種を使わなければならない。つまり,ミノルタαを使う,強い理由になるのである。この機能をもっと使うために,ミノルタ純正の単焦点レンズを入手しておくことにした(2018年3月20日の日記を参照)。
 MINOLTA AF 50mm F3.5 MACROを入手したからには,しっかりと撮影に使うのである。

MINOLTA α-7xi, AF 50mm F3.5 MACRO, Konica 100

50mm F3.5というスペックは,じつに無理のない描写につながっているのだろう。いわゆる望遠マクロレンズではないので,大きなボケは期待できないが,ピントのあったところはシャープに写り,背景はすなおにボケている。

MINOLTA α-7xi, AF 50mm F3.5 MACRO, Fantasy card, Konica 100

いわゆる標準系のマクロレンズには,どちらかというと硬質な描写をする印象がある。だからこそ,「ファンタジー」カードによる,ソフト効果に期待したいところだ。しかしこの構図では,ソフト効果はほとんど感じられることはなく,露光中ズーミング効果ばかりが目立つものになっている。

MINOLTA α-7xi, AF 50mm F3.5 MACRO, Konica 100

画面の中心部付近に明るい部分が少なければ,露光中ズーミング効果よりもソフトフォーカス効果が目立つことになりそうだ。

MINOLTA α-7xi, AF 50mm F3.5 MACRO, Fantasy card, Konica 100

近年に発売されたそれなりのクラスのカメラには,品質や性能の面で「使い物にならない」と思える機種は,ほとんどない。セット販売される,いわゆる標準ズームレンズを使っているかぎりでは,機能の面でもレンズの描写の面でも大差はない。ミノルタの「インテリジェントカードシステム」は,「ファンタジー」というほかにはない機能が用意されていることから,「どうしてもそれを使いたい」という人に対しては,強いアピールができている。もっとも,「ファンタジー」を頻繁に使いたくなる人が何人くらいいるのか,それはまったく見当がつなかいことであるが。


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