撮影日記


2017年11月21日(火) 天気:はれ

Kodak DCS 460で非Aiニッコールを楽しむ

Kodak DCS 460と組みあわされていたNikon N90sでは,フィルムガイドレールのそばにある突起がはずされていた。この突起があるNikon F90Xと組みあわせても,撮像素子の位置がずれてしまい,ピントがあわないことになる。このことに気がついて突起をはずしたことで,ようやく非Aiレンズ専用のディジタル一眼レフカメラをでっちあげることに成功した(2017年11月19日の日記を参照)。

非Aiレンズ専用のディジタル一眼レフカメラをでっちあげたかった目的は,PC-NIKKOR 35mm F3.5を使うことである。シフトアオリが利用できれば,撮影の幅が大きく広がることになる。
 たとえば高層ビルのようなものを見上げて撮ると,上のほうがすぼまることがよく目立つ。それを防ぐために,シフトアオリが利用される。

Kodak DCS 460, PC-NIKKOR 35mm F3.5

この位置でカメラを水平にかまえると,もう少し下のほうが写りこむ。そこで,不要なところを写しこまないように,少しだけ上にシフトさせている。もっとも,このような木が被写体なのであれば,多少カメラを上に向けて上のほうがすぼまったところで,それが気になることはないだろう。まあ,自己満足のためのシフトアオリである。

Kodak DCS 460, PC-NIKKOR 35mm F3.5

Kodak DCS 460の撮像素子の大きさはライカ判サイズより小さいため,35mmレンズであってもライカ判の45mmレンズ相当の範囲が写ることになる。そのため,広角レンズを使う感覚ではなく,標準レンズを使う感覚になる。そのため,シフトアオリの効果を目立たせにくいのだが,わずかな量であっても上下方向(あるいは左右方向)の調整が可能になることには,それなりの意味を見出したいところである。

非Aiレンズ専用のディジタル一眼レフカメラが実現できたのだから,Ai改造をしていないオートニッコールレンズもいろいろと使ってみなければ,もったいない。

NIKKOR-N Auto 24mm F2.8は,ごく近い距離のものを写すときにも画質の劣化をおさえられる「近距離補正方式」を実現したことで,初期の一眼レフカメラ用の超広角レンズとして評価の高いものである(2016年3月28日の日記を参照)。これくらいの焦点距離のレンズであれば,ライカ判よりも小さい撮像素子のKodak DCS 460でも,じゅうぶんな広角レンズとして使うことができる。

Kodak DCS 460, NIKKOR-N Auto 24mm F2.8

オートニッコールの「オート」は,自動絞りを意味する。しかし,Nikon F90Xボディは,Ai改造していないオートニッコールから絞り値の情報を受け取ることができない。また,Ai改造していないオートニッコールを装着できるようにAiカプラを破壊したので,絞りこみ量の情報を受け取ることもできない。そこで,実際に使いたい絞りにあわせ,開放から絞りこむ量を露出補正して,絞り優先AEで使うことになる。具体的には,F2.8のレンズをF8で使うときには,レンズの絞りリングをF8にしたうえで,3段分の露出補正(+3.0EV)をかけることになる。

Kodak DCS 460, NIKKOR-N Auto 24mm F2.8

NIKKOR-S Auto 5.8cm F1.4は,ニコンF用としてはじめての,F1.4という大口径レンズである。

Kodak DCS 460, NIKKOR-S Auto 5.8cm F1.4

何段か絞って使うときは,その量に応じた露出補正をかけて撮る。

Kodak DCS 460, NIKKOR-S Auto 5.8cm F1.4

Kodak DCS 460の感度はISO 80相当で固定されているし,ボディであるNikon F90Xは1/8000秒までのシャッター速度が使えるから,日中でもF1.4開放絞りで撮影できる。

これで,古いニッコールレンズをさらに気軽に楽しめるようになった。
 こんどは,Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5も試してみよう。
 撮像素子の大きさがライカ判サイズではないことが残念だが,Kodak DCS 460はとても活用場面の広いシステムである。

ボディが「瞬間絞り込み測光」に対応していれば,さらに満足できるところだが(2015年3月18日の日記を参照)。


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