撮影日記


2017年10月16日(月) 天気:あめ

DXコード ISO100をISO50に

フィルムには,使用期限というものがある。フィルムには光に反応する薬品が塗布されているが,古くなるとこれが劣化して,本来の性能が得られない。したがって,使用期限が間近に迫ったフィルムは,特価品として安売りされる。使用期限が切れてしまったフィルムは,ジャンク品としてさらに安価に売られることになる。
 フィルムの劣化は,保管されていた状況にも影響される。理想的な環境で保管されていれば,使用期限を大幅に超過していてもほぼ問題なく使える場合があるのに対し,よくない環境で保管されていれば,使用期限内であっても,悪い影響を受けている場合がある。
 一昨日,まとまった数の期限切れカラーネガフィルムを譲っていただいた。私はもともと,フィルムの消費量が多いほうではないので,これだけあれば数年間は楽しめるかもしれない。しかし,あくまでも期限切れフィルムである。確認すると,使用期限が2005年のものが大半で,残りは2006年のものである。ごくわずかだが,使用期限が2002年のものもある。

使用期限が切れたフィルムでは,感度の低下,色バランスの悪化,カブリなどの問題を生じている場合がある。いずれも,実際に使ってみなければ,どの程度の影響を受けているかはわからない。だからまずは1本,使ってみよう。

もし,カブリが生じていたら。これはもう,どうしようもない。カメラの動作確認くらいしか,用途がない。あるいはカブリの影響が「たまたま」都合よく作用して,おもしろい絵ができることに賭けるという,博打のような撮影を楽しむことになるだろう。
 もし,色バランスが極度に悪化していたら。モノクロ現像をして,モノクロフィルムの代用として使うくらいはできるかもしれない。あるいは,本来ではありえないような発色が「たまたま」都合よく作用して,おもしろい絵ができることに賭けるという,博打のような撮影を楽しむことになるだろう。
 博打のような撮影も,それはそれで一定のおもしろさがある。しかし,影響の予測がつかずその再現性がないので,なかなか思い通りの絵にならず,ストレスがたまることだろう。
 それに対して,影響が感度の低下くらいであったなら。撮影時の露出補正,増感現象,あるいはプリントやスキャン時の補正によって,ある程度の実用性が確保できそうである。感度低下の程度もそれぞれバラバラであると思われるが,多少のばらつきならば,補正でなんとかできるかもしれない。

ともかく,実際に使ってみなければ,どのような影響が生じているか,まったくわからない。
 使用期限を10年以上超過しているから,感度の低下は間違いなく生じているだろう。カラーネガフィルムの場合,露出がアンダー気味になるよりは,オーバー気味になるほうが,補正で救える可能性が高い。そこで,感度ISO 100のフィルムであるが,感度ISO 50のフィルムとして使おうと思う。
 ところが,カメラによっては,フィルムの感度を自由に設定できないものがある。
 そのようなカメラでは,フィルムのパトローネに設けられた「DXコード」という電気接点を利用している。どの接点が導通状態になっているかによって,フィルムの感度(ISO25〜5000),種類(ラチチュードの違いで4種類),長さ(12枚撮り〜36枚撮り)の情報をカメラに伝えられるようになっている。ただし,フィルムの感度以外の情報を利用するカメラは,多くない。フィルムを装填する部分の電気接点が1列しかないカメラは,フィルム感度の情報しか利用していないカメラである。

フルオートのコンパクトカメラでは,DXコードの感度情報を利用しているものが多い。そして,DXコードでしか,フィルムの感度が設定できないようになっている。種類の異なるフィルムを使っても,設定を間違えることがないので,親切な設計である。フィルム感度を自分で設定できれば,それを利用した露出補正が可能なのだが,それができないようになっている。
 そのようなカメラで,本来はISO 100のフィルムをISO 50のフィルムとして使おうと思えば,DXコードに細工をするしかない。DXコードをISO 50のパターンにあわせて,削って導通させたりテープを貼って絶縁させたりすれば,そのフィルムがISO 50のものであると,カメラに判断させることができる。

Nikon F70Dでは,DXコードで設定されたISO感度を確認することができる。これを利用して,たしかめてみよう。ISO 100のフィルムをそのまま装填すれば,カメラはフィルムがISO 100のものであると認識している。

つぎに,ISO 50のパターンにあわせて,フィルムのパトローネの接点を導通させたり絶縁させたりする。

これをNikon F70Dに装填すると,フィルムがISO 50のものであると認識された。

FUJI Silvi F2.8も,フィルムの感度はDXコードでしか設定できない。ただし,カメラとしてはISO 50〜3200まで対応していることになっているので,このフィルムはISO 50のものだと認識されるはずだ。これで,フィルム全体をオーバー気味に撮ることができる。


← 前のページ もくじ 次のページ →